リベラルアーツ&サイエンス教育ブログ

2017.09.19

  • 国東農業研修

2016年国東研修(15)農家民宿おふじ

訪問先が多くて全体的に疲れの色が目立った三日目、河野先生にご挨拶を済ませた私たちはこれから二日間お世話になる農家民宿おふじに向かいました。おふじは険しい山道を車でしばらく行ったところにあります。山道を登っている途中でスマホは圏外になり、「あ、ここは本格的な田舎だな」とつくづく感じました。意外かもしれませんが、前日まで泊まっていた公民館にはWi-Fiが飛んでいたのでそこでは何不自由なく電子機器を使うことができました。ちなみに公民館のトイレは和式ボットンでした。おふじのトイレは洋式で、美しく快適でした。
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    初日の夕食。写真を見ただけでも当時の記憶が鮮明に思い起こされる。どれも本当に美味しかった。撮影日時: 2016:09:03 19:18:23
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    河野さんご夫妻は、「からあげ花ちゃん」のからあげを、お店の名前は聞いたことがあったが食べたことはなかったという。撮影日時: 2016:09:04 19:00:10
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民謡「櫨獲り歌」を歌う河野さん。澄んだ歌声が部屋中に響き渡った。撮影日時: 2016:09:03 20:18:20
おふじに着いて、宿主の河野忠臣さん、奥さんの洋子さん、ご夫妻の次女さん(夕食作りのお手伝いに来てくださったとのこと)に挨拶して、それから夕食をいただきました。華やかな巻き寿司、優しい味わいの根菜の煮物、去年の逸話がある花豆の煮物、個人的にたまらなく好きだった具沢山な味噌汁と米ナスの田楽味噌、デザートには山盛りのぶどうなど、テーブルを埋め尽くすほどたくさんの料理が並びました。逸話というのは、沢山の花豆を用意してくれていたのですが、あまりの美味しさに、まだありませんかとすべてを食べて尽くしてしまったのです。どのメニューも本当に美味しくて一日の疲れも吹き飛んでしまうほどでした。滞在二日目には、ひょんなことから再訪した「からあげ花ちゃん」のからあげが食卓に並びました。

また、こっぽ酒という竹筒に入ったお酒も見せてもらいました。未成年だったので飲むことはできませんでしたが、注いでいる時に立てる音はとても趣を感じさせるもので、是非飲んでみたかったなと悔しい思いをしました。

 

夕食の途中では、詩吟の名手で大会では上位に入った経歴もあるとお伺いしていた忠臣さんに詩吟を聞かせていただきました。詩吟が始まった瞬間、場の空気が大きく変わったのが分かりました。ピリッと張り詰めるような、でも聞いていて心地よい。そんな力強い歌声が振動になって身体に伝わってきました。それは学生のみんなも同じだったようで、忠臣さんの詩吟が終わると目を輝かせて感動していました。

 

食事中ご夫妻には色々なお話をしていただきました。おふじには私たち以外にも小中学生や外国人、更には芸能人で私たちが知っているような人など、本当に色々な人が訪れていました。中にはちょっとしたトラブルが起きてしまったこともあったけれど、それでも毎年毎年おふじに人を迎え入れているのだそうです。そんなご夫妻が惜しみなく注いでくれた愛情のお返しに、食事をした居間のいたるところにここを訪れた人たちの色紙が飾ってありました。私がおふじに足を踏み入れてすぐ視界に入ったのがこの大量の色紙たちで、目にした途端に安心感を覚え、「ここでの生活は絶対に楽しいものになるな」と一人胸を躍らせていました。宿帳も見せていただいたのですが、そこではより詳しく、おふじを訪れた人々の思いの丈が綴られていて、勿論私たちも書きました。

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農家民宿おふじの河野さんご夫妻と一緒に記念撮影。撮影日時: 2016:09:05 12:12:21
主に朝晩の食事はおふじでいただいたのですが、美味しいご飯に舌鼓を打ち、色々な話を交えつつ、みんなで『とと姉ちゃん』や『ダーウィンが来た!』などのテレビ番組を見ながら団らんと食事をしました。普段は大学やアルバイトなどの関係でどうしても食事の時間が短くなってしまうことや、自分一人で食事を取ることが多々あります。なので今回みんなで食卓を囲んで同じ時間を共有できたことが個人的には本当に嬉しかったです。あとおふじでは六人全員が寝室で近い距離でいられたことも嬉しかったです。公民館で寝泊まりした時は蚊帳を二張り張ったのでどうしても分断されてしまいました。みんな疲れているはずなのにどんどん話が弾んで、深夜でしたがとても盛り上がって忘れられない思い出になりました。
二日間という短い間でしたが、とても充実した時間を過ごすことができました。できることならもう少し滞在していたかったです。そんな場を提供してくださった農家民宿おふじの河野さんご夫妻と次女さん。本当にありがとうございました。お世話になりました。