リベラルアーツ&サイエンス教育ブログ

2017.04.21
- 武蔵One Point自然観察
土筆とスギナ

スギナと土筆(ツクシ)は春の訪れを告げる植物です。まだ桜が咲く前に土筆が伸びてきます。大学の中でも土筆を見つけることができます。かつて、土筆は春の山菜として親しまれていましたが、今のこどもたちには、食物としては馴染みが薄いかもしれません。茹でて灰汁をとり、卵とじなどの料理に使います。

土筆が胞子を飛ばして、勢いがなくなる頃、その傍からスギナがわさわさと茂ってきます。一節ごとに細い葉がリング状につき、上にいくほど葉は短くなります。光合成をする栄養茎と呼ばれています。今、スギナのある場所を覚えておけば来年の春には、土筆を摘み取ることができるでしょう。
胞子も種子も散布されるのですが、生物学的には全く違ったものです。種子は、花粉と卵子とが受精して種子となり、散布されます。生育に適した場所に散布されると、種子は発芽して幼植物となり、花粉や卵子をつくります。一方、胞子は、親植物から減数分裂してできるのですが、生育適地に散布されると、染色体量が親植物の半分のままで、前葉体として成長し、精子と卵子を生産します。
胞子も種子も散布されるのですが、生物学的には全く違ったものです。種子は、花粉と卵子とが受精して種子となり、散布されます。生育に適した場所に散布されると、種子は発芽して幼植物となり、花粉や卵子をつくります。一方、胞子は、親植物から減数分裂してできるのですが、生育適地に散布されると、染色体量が親植物の半分のままで、前葉体として成長し、精子と卵子を生産します。
現在では、小さな姿のスギナですが、2億8千万年前頃は地質学的には石炭紀とよばれ、この頃のスギナの祖先たちは高さ数十メートルの巨大な姿で繁茂していました。その植物化石が石炭なのです。その後も、色んな時代の植物が、炭化して世界中に石炭として化石となって埋蔵されています。その量は、人類が100年間利用しても大丈夫だそうです。
胞子も花粉も植物が作りだすものですが、同じ物質でできています。このスポロポレニンは非常に堅牢な物質で、最古の胞子はじつに3億5000万年前です。これくらい古くても、生きていたときに作られたスポロポレニンがそのまま保たれているのです。通常、化石は、岩石物質が生体組織と入れ替わって、文字通り石になってしまったのとは対照的です。そのうえ途方もない数が散布されていますから、地層から花粉や胞子をそのままとりだすことができます。その組成を調べれば、その時代の植生が復元できるのです。
こんど土筆をみかけたら、その祖先は石炭をつくるほど巨大な植物だった、この胞子は今後数億年先でもそのまま発見できるかもしれないと、過去から未来へと数億年のときの流れを感じてください。
胞子も花粉も植物が作りだすものですが、同じ物質でできています。このスポロポレニンは非常に堅牢な物質で、最古の胞子はじつに3億5000万年前です。これくらい古くても、生きていたときに作られたスポロポレニンがそのまま保たれているのです。通常、化石は、岩石物質が生体組織と入れ替わって、文字通り石になってしまったのとは対照的です。そのうえ途方もない数が散布されていますから、地層から花粉や胞子をそのままとりだすことができます。その組成を調べれば、その時代の植生が復元できるのです。
こんど土筆をみかけたら、その祖先は石炭をつくるほど巨大な植物だった、この胞子は今後数億年先でもそのまま発見できるかもしれないと、過去から未来へと数億年のときの流れを感じてください。