リベラルアーツ&サイエンス教育ブログ

2017.04.18

  • 国東農業研修

2016年国東研修(2)国東半島副市長、冨永さんを訪問

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冨永副市長さんから国東市の現状を聞き、いくつもの質問に丁寧に答えていただいた。撮影日時: 2016:09:01 13:52:51
市長である三河明史さんは用事があり、今回は副市長の冨永六男さんにお話を伺った。私は以前、三河さんが武蔵大学に来てくださったときにお会いしたことがある。国東半島の魅力を熱く語るその姿に、自分がこれから行く国東半島に期待が高まった。また機会があるときに、是非お話ができたらと思う。部屋がとても立派だったので緊張したが、冨永さんは積極的に話を振るなどして私たちが話しやすい雰囲気を作ってくださった。
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冨永副市長さんとの面会を終え、完成したばかりの新庁舎で記念撮影。撮影日時: 2016:09:01 14:11:41
国東市には海が広がっているが、運が良ければ産卵期のウミガメに会えるそうだ。ただウミガメを守るため、詳細な場所は公開していない。また、国見はイタリアと気候が似ており、それを生かしてオリーブ生産に力を入れ始めている。他にも、林業の椎茸のことや、国東オイスターで市場を海外に向けて更に広げていることなど、これからの国東市の将来とその方向性について期待が持てる話も多かった。世界農業遺産に認定されたことも喜ばしい。TPPの問題もあるが、品質重視で消費者を意識した「美しく作って高く売れるように」をモットーに取り組んでいるそうだ。「国東ブランド」のさらなる躍進を願っている。

ここまでは明るい話ばかりだったが、実は暗い話もある。50年前までは一つの作物を作り、自給自足で生計を立てている人が多くいたらしい。ところが、高齢化が進んだ影響で自分たちが食べる分と近所の人におすそわけする分くらいしか作物を作らないようになり、売るということはあまりしなくなってしまったらしい。
また、国東高校出身の人は市外に出て行ってしまう人も多く、戻ってくるのは何人か、ということもあるのだそうだ。田畑は余っているが、使われない、使う人があまりいない、というのは悲しい現状である。ここで先頭に立って復興に努めているのは、「国東地域おこし協力隊」の方々だ。この方々との対談については、後ほど述べる。
そして驚いたのは、鳥獣被害についてだ。鹿、猪といった動物に稲などを食べ荒らされる被害が出ているらしい。年間8000頭の有害駆除を実施していて、人々もやられてばかりではいない。腕の立つ猟師さんだと200匹もの獣を捕まているという。「狼を放つか?」なんて話も上がったというから、私たち東京周辺の生活とは別世界のように感じた。

 

狸は不味いそうだが、鹿や猪は汁物にして食べるらしい。また、長廣さん方、都留さんの葡萄畑、河野さんの民宿おふじで捕まえられた鹿の角を見かけた。立派で丈夫だからか、鍵をかけるためのオブジェとして活用しているお宅もあった。生活の工夫を感じた。
良い面と悪い面、両方をお話ししていただけて、この国東市に親近感が湧いた。より詳しく知りたいと思った。そしてこのあと、協力隊の方々にお話を伺いに行った。冨永さん、丁寧にお話しして下さりありがとうございました。

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    研修も終わり、レポートを作成中に、冨永国東市副市長から国東市安芸町で生産された新高梨が届きました。とても大きく、1個1kgもあります。撮影日時: 2016:10:06 14:23:14
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    梨が届いた同じ頃、おふじの河野さんからマコモが沢山送られてきました。学生たちもそれぞれの家庭で美味しく味わい、初めてという人もいた。