リベラルアーツ&サイエンス教育ブログ

2016.03.12
- 国東農業研修
2015年国東研修(18)反射炉
境内の奥の方には「耐火煉瓦」というかつて反射炉に使われていた煉瓦で組まれた塀があった。佐田の反射炉建設は、島原藩からの資金援助や技術供与が一切行われないなか、金属を溶かす熱を生み出すのに適した「耐火煉瓦」を造ることから始まったという。
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佐田神社の壁には反射炉の耐火レンガが今も積み上げられ、往時の証拠となっている。撮影日時: 2015:09:05 12:47:48 -
反射炉の破片を手にこの佐田神社に築かれた、明治維新前夜の製鉄遺跡の意義を語る松木さん。撮影日時: 2015:09:05 12:49:56
耐火煉瓦塀は日光が当たってくすんだ茶色の独特な光を放ち、手で触ってみると煉瓦の表面はごつごつと波打ち、コーティングがされツルツルとしていた。この日の私達の案内役、宇佐市安心院支所の松木郁夫さんは耐火煉瓦塀から崩れ落ちた煉瓦の一つを手にして、煉瓦のうち反射炉の内側に面していた面は高温で溶け付着した灰が自然の釉になり、独特な光を生み出したということを教えてくださった。表面に独特な光沢を持つ煉瓦が反射炉の稼働により造られることを、惟熊は予想していたのだろうか。また、煉瓦を塀の材に転用したのは、その光沢の美しさをどこかに生かしたいと思ったのか、それとも民間初の反射炉を築き上げたことを後世に残したいと思ったのか。様々な想像をしつつ、佐田神社を後にした