リベラルアーツ&サイエンス教育ブログ

2014.10.10

  • 国東農業研修

鳥居橋と平田井堰 2014年国東農業研修

宇佐市での研修では、今も人々の暮らしを支えている文化財を見学しました。杉本君の報告書レポートをもとに写真と組み合わせて紹介します。
■鳥居橋
井上治廣さんと中山丈広さんの案内で宇佐市を流れる大規模灌漑用の広瀬井出や平田井堰、石橋の貴婦人と称賛されている鳥居橋を見学した。井上さんは元宇佐市役所の方で、中山さんの先輩にあたる人だ。宇佐に土地勘があるので、学者ではわからない過去の地名と現地の比定作業も行うことが出来、江戸期から始まった大工事の跡を見ることが出来るスポットを多く知っておられた。中山さんは、グリーンツーリズムの案内をしていただく方であるが、我々を乗せて、いろんなスポットに運んでくださった。
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    今も車が通行できる鳥居橋。解説板には「鳥居橋は院内町75基の石橋を代表する5連アーチの石橋。名工松田新之助により大正5年7月に完成し、これまで多くの大洪水にも耐えたのは設計と技術の正確さを証明しています。」
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    この石橋を超えそうになった洪水でも、細く見える橋脚はびくともしなかった。 安心院に隣接している院内にある大分県指定の有形文化財。
■平田井堰
平田井堰は駅館川の中流にある井堰であり、改修が重ねられ、巨大なダムが段差をつくり、そこから滝のように水があふれていた。堰き止められた水から用水が引かれ、下流にある川の水が入ってこられない広大な平地の田を灌漑していくのである。この光景は、ちょうど目の前に沈下橋が通っていたので水しぶきを感じるような間近で見ることが出来た。伝承によると、1185年保元年間に宇佐神宮の神官、宇佐公通がこの堤を造り始めたそうである。この井堰を巡っては水利の関係で争いも起き、西南戦争時には水車を焼く事件もあったそうである。
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    雨の多い時期だったので駅館川の水が勢いよく堰を越えていた。
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    平田井手の下には沈下橋が通っていて、この井堰の巨大さが分かる。約830年前のダム工事だが、今も大分県の穀倉地帯を支えている。