リベラルアーツ&サイエンス教育ブログ

2014.06.02
- 国東農業研修
2013年国東研修(6) 七島イ生産農家訪問
この研修では農業体験だけではなく、文化や歴史も学びます。その一つとして、途絶えかかっていた七島イの生産と加工を続けていいる松原さんの工房を訪ねました。
畳は日本文化や建築の中心にあるものですが、意外にその生産現場や性質は知られていません。畳の主流は今はイ草がほとんどですが、かつては、七島イも沢山生産され、その中心地の一つが大分県でした。
イ草は断面が丸いのですが、一方、七島イはカヤツリグサ科の植物で、断面は3角型になっていて植物として全く違ったものです。七島イでは一本一本、二つに割いて乾かし、畳表として編み込んでいきます。この二つに割く作業は、かつては、すべて手作業で行われていたそうで、私たちも、昭和30年代だそうですが50年くらい前の器具を使わせていただきました。松原さんからは、七島イにまつわる様々な話を聞かせていただき、また、この産業に新たに加わった若者のお話も聴くことができました。
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畳表に加工された爽やかな香りのする製品を前に、改めて文化を支えている香りの大切さを理解できた。 -
お話を聞いている後ろに立てかけてあるのが、収穫したばかりの七島イ。
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研修旅行に参加してくださった清水前学長も、乾いた七島イのハカマという根元の余分な部分を叩き落す作業を体験させてもらった。 -
このピアノ線を張った簡単な器具で、断面が三角の七島イを二つに割くのだが、長い草を一気に二つに割くには熟練の技がいる。 -
見学を終え七島イを使った雪駄をお土産にいただき、皆で記念撮影。右端の方は、最近国東に移住してきた人。