リベラルアーツ&サイエンス教育ブログ

2014.03.27

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生徒の学びを支える教員になるために

ブログ投稿者:教職課程 教授 武田信子

検討したワークブック
検討したワークブック

教員養成(教職)課程では、教員としての専門性の基礎を身につけるために、「教員のためのリフレクション・ワークブック」(教師教育学研究会編)を活用して、教員志望の動機や教育への想いを確認したり、生涯発達を見据えて自分の現在地点の教員としての力を自覚したりする工夫をしています。

 

2013年度「教育学特論B」は、時間割の都合で履修者数が少なかったため、ゼミ形式でワークブックの項目をより深く理解するための読み込みをしました。例えば「生徒が自律性を身につけていく環境を作っている」という項目に対して、具体的にどういう行動を取ればその項目の内容を実践できるか議論しました。「自立と自律の違いは何か、自律という概念を生徒に直接教えるのか、体験を通して身につけさせるのか、どこまで手を出してどこから任せるのか、一人一人の生徒の自律性の違いにどう対処するのか」などを、授業中や部活、文化祭などの具体的な場面を思い起こしながら自由に話し合いました。そして同時に、項目をよりわかりやすく他者に説明できるように、項目の作り替えや解説の書き換えをワークブック利用の当時者である学生の目線で検討しました。この結果は、実際にリフレクション・ワークブックの第三版改訂に反映されました。

熊本にて
熊本にて
その上で、秋には、教職課程が熊本県教育委員会と協働して独立行政法人教員研修センターから受託している教員研修のモデルカリキュラム開発プログラムの一環として、熊本県に赴きました。初日は、ツーリズムの第一人者である熊本大学佐藤誠教授に、当事者が自律的に関わるツーリズム学の発想を阿蘇の現地で教授していただき、2日目は、山鹿市内中学校を訪問し、ワークブックで学んだ視点から授業見学をして、教員と意見交換しました。その内容をまとめたレポートは報告書に掲載されました。
このように、教職課程は、3学部8学科の学生が教員免許取得という共通目的の下に集まり、密度の濃い学びを重ねています。