リベラルアーツ&サイエンス教育ブログ

2013.12.03

  • 武蔵One Point自然観察

晩秋のすすぎ川

急に寒くなったり、暖かくて過ごしやすい秋だったりですが、すすぎ川の紅葉を楽しんでください。イチョウの葉はどんどん落ちて、空が広く見えるようになってきましたが、イロハモミジは今が見頃です。すすぎ川をゆっくりと歩きながら、この風景を創った先人たちの高い教育理想と環境を護り育てる武蔵の伝統を引き継ぐ、強い意思を思い起こしてください。

1988年にすすぎ川は今の姿になりました。もう、25年も前のことです。改修する直前のすすぎ川は、千川上水からの水が断たれ、汚れた水たまりのようになっていました。すすぎ川は、水を還流する方式で、地下水の汲み上げているわけではありません。

武蔵のすすぎ川事業は、水辺環境復元の最も先駆的な試みの一つでした。この意義について、当時の太田博太郎学園長は「滄浪の水清まば」という文章に記しています。

「汚くなれば誰も愛着を感じなくなる。そこがゴミ捨て場となってしまうのは、都内の各所で見られたことである。放っておけば、すすぎ川も都内の各河川同様の運命をたどることになるであろう。水と緑が人間の生活にとって、どれほど大切であるかを知らないで育っていったら、その少年たちが将来どんな人間になるであろうか、それは空恐ろしいことである。そのことに人々は、ようやく気づき始めた。しかし、まだ川を復元しようとする試みは、どこでも始まっていなかった。

中略

文部省から、学園の財政状態の査察があった。そのとき委員の方から、還流させるのでは費用もかなりかかるでしょうね。というお話があった。私は答えた。お金には代えられません。」

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    すすぎ川中之島の池では、青空と紅葉が素晴らしいコントラストです。
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    波のない水に、青空と紅葉が映えています。
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    図書館前のイロハモミジは急に美しい色に。
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    ことし2013年はこの木が一番、色が美しい気がします。
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    散歩道も秋深し。手前のドウダンツツジも紅く紅葉しています。
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    すすぎ川を改修した人々の教育への理想を感じます
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    カメラを見つめるショウリョウバッタ。
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    目には縦縞が。
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    山茶花の蜜量を測ると20マイクロリットルほどの花もありました。