リベラルアーツ&サイエンス教育ブログ

2013.09.30
- 武蔵One Point自然観察
銀杏、精子を持つイチョウ

台風が過ぎて、少し寒くなりました。今年は、なんだか銀杏の実の数が多いように感じています。10号館側の3号館端にあるイチョウは、本当にたく さんの実をつけています。道を歩いても、臭いとつい敬遠しがちですが、茶碗蒸しの具として本当に美味しいもので、日本文化の一つです。

動物は運動機能をもった精子を作り、植物では精子に相当するのは花粉です。しかし、イチョウは「精子」を持つ非常に稀な植物です。明治時代の日本 でイチョウの精子は発見され、世界的な植物学上の大発見です。イチョウは、雄木と雌木に別れて繁殖しています。雄木からは花粉が散布され、雌木に到達しま す。その後、初夏になると、花粉管が伸びてその中に精子が出現します。精子は、胚珠が用意する液体を泳いで受精します。植物が陸上に進出する前、水中で受 精した時代の姿を再現しているかのようです。