リベラルアーツ&サイエンス教育ブログ

2013.07.02

  • 武蔵One Point自然観察

元気に鳴いているセミ

厳しい暑さが続いていますが、今が我々の季節と言わんばかりにセミが大きな声で鳴いています。近頃、学内でみかけるセミの多くはアブラゼミです。こどもの頃、地中から成虫になるため、幹を上り羽化する姿をみた学生さんも多いことでしょう。
 
大学では大きな建設工事があったりするとセミの数が減っている印象があります。地上ばかりでなく、地下の生息場所も生物にとっては大切な住処なのです。自 転車駐輪場などの整備が進んで、地面がアスファルトで覆われたり、木々の剪定が進んで環境が激変すると、キノコも消えてしまったり、組み合わせが変わってしまったりするそうです。
 
シャア、シャアあるいは、シャンシャンシャンと聞こえる特徴的なセミの声を聞いたことがありますか?アブラゼミよりもずっと大きな声で鳴く、クマゼミで す。関東のこどもにとっては、ほとんどなじみのない生き物でしょう。関東地方では、1980年代には、ごくまれに人為的に持ち込まれた場合があると言わ れ、静岡・神奈川あたりが北限となっていました。
 
しかし、最近では「クマゼミ北進中」です。海の生き物、陸の生物と同様に、地球温暖化による平均気温上昇に対応した生物界の変化の一つとして注目されています。もし、オープンキャンパスなどで、夏あいだに武蔵大学にくることがあれば、クマゼミにも注目してください。
  • 元気に鳴いているセミ
    アブラゼミはミンミンゼミより湿った環境を好むと言われ、都心では乾燥と気温上昇が続きミンミンゼミが優勢となっているそうです。武蔵大学では緑豊かな環境のなかまだ、アブラゼミが優勢です。 四国松山で撮影。
  • 元気に鳴いているセミ
    クマゼミは体長7cmほどにもなる大きなセミです。光ファイバーケーブルを枯れ枝と間違えて産卵し断線するケースが、西日本で数多く報告され、最近は対策済みだそうです。 四国松山で撮影。