リベラルアーツ&サイエンス教育ブログ

2012.12.02

  • 武蔵One Point自然観察

鳥の種子散布

樹木や草は移動できない固着生物です。動物の我々とは全く違った行動や形態を進化させてきた彼らにとって、動く機会は二度あります。花粉を送ったり受け 取ったりするときと種子を散布するときです。鳥は、種子散布者として非常に重要な役割を果たしています。当然のことながら、植物は、鳥のサービスに対して 報酬を払わなければなりませんが、それが可食部に包まれた果実なのです。私たちは、栽培植物として「くだもの」と名付けている美味しい栄養に富んだ部分で す。でも、サービスのやり取りは、結構シビアーなものです。
  • 鳥の種子散布
    これは鳥の糞が葉に付いたものです。小さな種が多数、鳥の糞によって散布されていることがよくわかります。
  • 鳥の種子散布
    山には雪が降り始め里に帰ってきたシジュウカラ。ひょっとしたら武蔵で繁殖したこどもかもしれません。シジュウカラのくちばしのサイズは小さく、小さな果実を利用します。くちばしのサイズや強さは利用できる果実の制限要因となります。
  • 鳥の種子散布
    鳥が運んだ種の主はこのヒサカキです。今、葉の裏に黒紫色の小さな果実をたくさんつけています。種をつぶすと指に長く色素が残りますので、小さな種を確かめてみるときには注意してください。
  • 鳥の種子散布
    ハマヒサカキ。ヒサカキと同じ仲間の木で、花の咲き方や結実も大変よく似ています。今は庭木によく使われますが、自然のなかでは、その名の通り、海岸に生える樹種です。学内でもあちこちで見かけます。