教職課程活動ブログ

2008.02.11

教職総合演習(担当 武田信子)

教員免許を取得したい学生は、2年生になると必ず「教職総合演習」というゼミを取ることになっています。このゼミは教職課程の3人の専任教員がそれぞれ工夫して、教員になるにあたって必要な基礎的な力をつけられるようにしています。 武田ゼミは、毎回テーマを変えていますが、2007年度後期は『オルタナティヴ教育』(永田佳之著)を読みながら、世界各国の新しい教育の流れについて学びました。学生たちのことばで授業の様子を紹介しましょう。
 
「同じ授業を取っている十数人の教師に対する意識を知った。…自分は一体何のために教職の授業を取っているのか、最も考えさせられた瞬間だった」
 
「授業をよりよくするための話し合いというのは重要であると考えられる。決められた方法で一方的に教えたり発表したりするのが必ずしもよい授業であるとは言えないし、やはりお互いに学ぶ環境を創るというのは大事なことだと思った」
 
「自分が無知であることに初めて気づいた。教えられていないことに対し、自分がどれほど無関心だったのかとわかった。勉強とは、授業を受けることだと、知らず知らずのうちに思いこんでいたのだと思った」
 
「思っ ていた以上に、教育は考えられていた。しかし、思っていた以上に問題があった。…学校はこどもの未来を作るきっかけだと思った。その学校はどう作られているのか。また、学校の教育制度や、教育のあり方の違いを学んだ。そして、他の国を学ぶときに、自分の国との比較ができなければ、どっちがどうなのかもわからないことに改めて気づかされた。当然のことだが、気づくまでにこれだけの時間が必要だった」
 
「私は常に何かを言い訳にして、努力することから逃げてきた気がするのだ。常に受動的だった。『教える』ことをしてもらって『学ぶ』ことをしてきた。それ以外で自ら学んだことはあっただろう か。…しかし、本当に何かをやるならば、逆算が必要だ。いつまでに、どうなりたいのか」
 
「私たちには社会を変える力があり、機会がある。それに気づくことができただけでもすばらしいことだと思う。そして、気づくことによって、さらに努力する機会を与えられたと思うのだ」
 
「担当の箇所をレジュメに簡潔にまとめる作業も私にはとても難しかった。何度も何度も繰り返しその箇所を読み込んでから、大切なポイントに蛍光ペンで線を引いてレジュメづくりに臨んだ。線を引けば引くほど、全部大切な部分に見えて、どこか重要なのかわからなくなり、また読み直しての繰り返しだった」
 
「『メディアの情報はかなり偏っている、統計にだまされてはいけない、知らないことだからといって鵜呑みにしない』授業の最初に知ったこのスタンスの取り方を、私はことある毎に意識するようになった。…『知らされない』ということもあるということも忘れないようにしている。…まずは統計についての本を読 む」
 
「『自分の夢を実現するためには、現実を一つ一つ調べていく』『目標に向かって何をするのか、いつまでに決めるのか』頭の中でやろ うと思っていることを温めているだけは何も起こらないのだ。…そこから、ネットで航空券を調べ、向こうの大学にメールを送り、住むところを探し…と準備を急いでし、結果的に春休みに一人で留学することになったのである。初めて自分で全てを手配した。…出発を控えた今、他のこともすごく具体的に見えてきている」
 
「『海外のものを学ぶ、しかしそれだけで終わってしまうのではなく、それを日本だと?自分だと?と考える』『研究というものはどう やるのか。どう問題意識を持って、どう進めていくのか』授業を通して、私は今、大学で何を学んでいるのだろうと考えるようになった。…授業には真面目に出席している。課題も全て出している。しかしどれも受け身なのである。…『社会に出たとき、自分の興味・関心に応用できるようにしていくのが大学の勉強』 『全てのレポートは卒論につながっている。社会の人が読んで、あぁそうかと思える客観的、論理的な表現ができる力をつける場が大学』社会に出たときの自分の実力は、まだまだ鍛えてレベルアップすることができるのである。…あらゆるものを自分にとってプラスに働くように自ら動くのだ。教師になろうとしている 私自身が、積極的に『自分にとってよい教育」を受けようとすることは大事なことなのではないだろうか」
 
「これから意識すべきものは『他者が納得のできるもの』だ。誰かに何かを伝える際には、意識しなければならないだろう。伝えるものには、事前の調査や裏付け、自分自身の知識が重要となってくる。一つ一つの積み重ねから、最終的に『他者が納得のできるもの』へとつながっていくのではないだろうか。さらには、 伝え方の工夫も必要だろう。相手に何か伝える際には、伝える話し方を意識しなくてはならない。また、しっかりとした準備、日頃の準備が自信を持つことへつながっていく」
 
「教育の質は、教える側で変わってくるだろう。教える側の人間が、それ相応の知識や実力を持っていないと、教育を受ける側の人たちに何もプラスにならないし、教育としての意味を果たさなくなってしまう。そのような事態を避けるためにも、常に教育制度のあり方を国民の私たちが考えていく必要があると思う。… 自分から情報を収集して、学校教育についてもっと学んでいきたい」
 
さて、どんな授業かイメージが湧きましたでしょうか?