人文学部ゼミブログ

2025.08.28
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- 英語英米文化学科
広域英語圏文化ゼミナールについて
ブログ投稿者:英語英米文化学科 准教授 パトリック・シュウェマー

広域英語圏文化ゼミナールでは、英米文化がいかにしてできたかについて追究している。
そのために、文学的近代性の兆しとされる騎士浪漫とピカレスク小説のルーツを辿っている。まずは従来「欧州的近代」の源流の一つであるスペイン黄金世紀文学(セレスティナ、アマディス、セルバンテスなど)とイタリア俗語文学(吟遊詩、ボッカッチョ、オペラの元となった叙事詩)を紹介する。
次は、実はその影響源だという指摘もあるアラビア文学(マカーマート、旅行記、千夜一夜物語、スーフィー誌、イスラム騎士道の書)、そしてユーラシアの向こう側からは明末小説(水滸伝、金瓶梅、西遊記)など取り上げ、このような近世アフリカ・アジア資本主義の文学にこそ封建的伝統の相対化、科学的な知識欲、広い世界を探索する野心、人間関係の市場化に伴う複雑な自己開示と新たな内面性の誕生などの「近代的」要素の真の起源があると指摘する。
最後に、ユーラシア両端のレイトカマーである日本の元禄文学(井原西鶴、松尾芭蕉、近松門左衛門)、イギリスの騎士浪漫とピカレスク小説(マロリー、ナッシュ、スペンサー)、そして最後にアメリカにおけるその子孫(マーク・トウェイン)を紹介している。