人文学部ゼミブログ

2023.01.10

  • 人文学部
  • 日本・東アジア文化学科

「メジャーコリア」もいいけど、「マイナーコリア」も!—「朝鮮文化演習」「朝鮮文学演習」

ブログ投稿者:日本・東アジア文化学科 教授 渡辺直紀

このゼミでは韓国・朝鮮の文化全般について学んでいます。
ひと口に韓国・朝鮮文化といってもとても多様です。最近では韓国の「Kカルチャー」が世界を席巻しています。かつて大衆文化と言われていたものも、単に消費の対象だけではなくなってきました。韓国のさまざまな表現物が、韓国や東アジアのみならず、北米を舞台にして席捲・流行して、それがグローバル化するという現象も珍しくなくなってきました。そのような文化現象が、現在のいわゆる「メジャーコリア」だとすれば、このゼミでは、そういったものに隠れた、あるいは背景になっている「マイナーコリア」についても深く探索するようにしています。
学期のはじめに講読テキスト(韓国・朝鮮に関する論文・記事や書籍の一部)のリストを提示し、それぞれの回の発表者と質問者を決めて議論します。最近は、フェミニズム運動の多様なあり方に関するものや、韓国のブロックバスター映画の製作インフラに関するもの、また脱北者の定着、国防政策と軍改革に関する文章も読みました。伊藤博文暗殺当時の朝鮮社会や世論に関する論文も読みました。また、朝鮮の部落問題やその解放運動、植民地時代のモダンガールたちの活躍についても学びました。日本国内にある朝鮮文化、高麗神社など朝鮮由来の神社について扱うこともありました。毎回の履修者のタスクは、単にテキストを読んで調べて発表するだけでなく、その発表についてグループで討論した結果を、質問としてまとめて報告するなとの作業も含まれます。
この数年、コロナ禍で教室外での課外活動はほとんどできませんでしたが、少しずつ再開したいと思います。韓国現地での文化体験や、新大久保コリアンタウンでのフィールドワーク、韓国文化院など関連施設を訪問して見聞を広める活動など、少しずつ計画しています。