人文学部ゼミブログ

2022.01.15

  • 人文学部
  • 英語英米文化学科

アカデミック・プレゼンテーションゼミナール

ブログ投稿者:英語英米文化学科 教授 直井一博

 TEDその他のプレゼンテーションを見聞きする機会が増えている。スライドを用い、伝えたいこと、調べてまとめたことを聞き手にわかりやすく伝える。今後増えていくであろうこうした機会を念頭に置き、スライド・トークを英語で行ってみよう、というのが本ゼミの趣旨である。初めは誰もが失敗する。だが失敗は学びの大切な素材であり、失敗しながら学んでいくのは実技の王道である。

 最近では他の授業でもスライド・トークが一般化してきたせいか、スライドを作れない学生はいない。問題はスライドに何を載せて何を載せないか、である。盛り込みすぎてもいけないし、むしろ少なすぎないかと迷うくらいで丁度よい。つぎの3段階で1サイクルが完成する。

 (1)トークのスライドとスクリプトを「序論・本論・結論」に分けて作成する。テキストにある便利な言い回しを自分でもトークに落とし込むことで、表現力も上がっていく。これが全体の1/3 である。(2) 発表までにスクリプトを読む練習の段階がある。どれくらいの速さで話し、どこを強めて、どこは比較的軽く、などとメリハリをつけられれば中級以上だ。これも全体の1/3の比重。(3) 最後に発表し、フロアとの質疑応答を行う。良かった点、改善点をコメント用紙に記入し、発表者の手に渡す。盛りだくさんの1/3。これが一単位で、授業では可能な限りサイクルを繰り返した。

 コロナ禍前には前期、後期ともに4回ずつの発表の機会を持つのが普通だったが、オンライン授業形態も併用した今年は、前期4回、後期は人数の関係もあり一人10回を超える発表を行った。よき前例としたいと思う。

 以上を通じて英語でのプレゼンの技能が身につくのはもちろんだが、嬉しい副産物として、履修者同士がお互いをよく知ることになるため、特別な親しい知り合い同士になれるということがある。「発表者のいいところを見つけてほめてあげよう」がカギである。