人文学部ゼミブログ

2025.02.27

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  • 日本・東アジア文化学科

ローカルヒーロー歴史講座

ブログ投稿者:日本・東アジア文化学科 教授 石井 龍太

キャラクター達が狩俣の歴史と史跡を解説
2025年1月26日、沖縄県宮古島市の狩俣集落にて『かりまたキッズカレッジ』が開催されました。狩俣自治会が主催となり、琉球大学の波多野想教授、ランドブレイン株式会社副社長の吉戸勝氏が登壇されました。会場となった狩俣集落センターには20名以上の子供たちと住人の方々にお集まりいただきました。
そしてこのイベントの中で、ローカルヒーローによる歴史講座も行われました。これは、武蔵大学人文学部の石井龍太教授が担当するGHゼミナールおよび城西大学経営学部ゼミナールⅡの学生が協働して実現したものです。
宮古島最北に位置する狩俣集落は、独自の文化と歴史を持ち、多くの研究者の注目を集めて来ました。石井教授と学生たちは2015年から狩俣集落の考古学調査を行い、さらに地元の子供たち向けにヒーローショーを上演して来ました。調査に参加する学生たちは、昼は発掘、夜はヒーローショーの練習と忙しい日々を過ごします。2024年8月には、狩俣集落をテーマにしたヒーローを作るワークショップを行い、子供たちから様々なアイディアが出されました。
狩俣のアーヌフジャー(東の大門)
今回の『かりまたキッズカレッジ』では、前年の子供たちのアイディアを形にした狩俣のヒーロー・フジャーが登場しました。フジャーとは大きな門の意味で、狩俣集落を特徴づける集落の石門をモチーフにしています。きらびやかな頭は良く見るとマンゴーを取り入れたデザインとなっています。そしてフジャーの相棒として、宮古島に棲むトガリツノザメをモチーフにしたキャラ・トガリも登場。つぶらな瞳がポイントです。
フジャー、トガリ、そして城西大学石井ゼミのヒーローとして何度も狩俣集落を訪れたレイの三人で、狩俣の史跡について分かりやすく解説する講座が行われました。今回は、狩俣を特徴づける石門と、集落北の神道にある貴重な史跡、そして崖下の井戸の話をしました。そのほとんどはここ数年の間に、武蔵大学、城西大学、さらに東海大学、早稲田大学、國學院大學、立教大学の学生たちが協同で調査した遺跡です。キャラクターが解説することで柔らかく分かりやすい講座となりました。
子供たちは終始真剣な様子で聞き入っていましたが、実は同じ日の午前中に狩俣の遺跡を巡る史跡巡りを行っており、見覚えのある写真が沢山出て来たことも関係あります。実地の体験と解説が合わさることで、貴重な史跡が次代を担う子供たちの記憶に残り、長く守られていくことを願います。
ピシンツ(神道)を進む
崖の井戸から戻る道
フジャーの相棒・トガリ
狩俣の新ヒーロー・フジャー