人文学部ゼミブログ

2021.09.26

  • 人文学部

集大成の始まりと失敗の味わい

ブログ投稿者:教職課程 特別招聘講師 柄本健太郎

 

 「大学生活の集大成」って、何でしょうか?

 

 一つの答えは、卒業論文、いわゆる卒論ではないでしょうか。卒業論文の執筆は、大学で積み重ねてきた知識・技術をすべて使い、自分の主張を文書としてまとめ上げる一大イベントです。初めて論文を書くときは、たいてい知らないことだらけで苦労しますので、論文の書き方に関する書籍(写真)を読んで学ぶのも効果的です。

  

 私の研究室でも、卒業論文を書くためのゼミが9月から本格的に始まりました。最初は、学生が研究してみたいテーマを話してもらい、(1)そのテーマが「ゼミが得意とする領域」と合っているか、(2)本当に学生が卒業論文として取り組みたいテーマなのかも確認します。また、自己紹介や、「作業時間・場所・連絡方法はどうする」といった話し合いもします。というのも、卒業論文を書くには、学生が夢中になってのめりこめるテーマと、学生が主体的・長期的・継続的に取り組める体制が欠かせないからです。

  

 今年度、私のゼミには、人の「心」をテーマに、心理学に関する論文を書きたい学生が集まってきました。これから秋から冬にかけて、学生は自分で選んだ文献を読み、テーマを絞り込み、卒業論文で検討する「問い」を決めていきます。そしてさらに翌年春以降では、「心」に関するデータを取り、分析します。そうすることで、学生は「問い」の答えを出し、文章にまとめていきます。

 
 途中、三歩進んで二歩下がるような、なかなか前に進まない、うまくいかない時期もあります。ただ、学生には、「論よりRun」(私が学生だった頃のゼミの先生の言葉です)、頭で悩むだけでなく、まずは「やってみる」ことをおすすめしています。動いた先にたとえ失敗があっても、失敗は、成功への足場や、一つの味わい深い思い出になってくれるはずです。価値ある成功と失敗を学生が経験できるよう、今後もゼミを続けていきます。