人文学部ゼミブログ

2020.12.21

  • 人文学部
  • ヨーロッパ文化学科

「オンラインでのゼミ活動」

ブログ投稿者:黒田 享

写真キャプション:12月に入ると例年海外のみなさんからクリスマスカードが届きますが、今年はドイツと日本の間の物流も滞っているようで、届くのが遅くなっています。(写真は昨年のもの)

今年度も授業回数が残り少なくなりました。新型コロナウイルスの流行のため、履修学生の皆さんの意見を聞き、私の授業は全てオンライン上で行ってきました。プライバシーに配慮し、カメラはオフ、授業中は授業資料だけをモニターに映す形です。

オンライン形式はゼミ形式科目とあまり相性がよくないと言われるので、春は不安の中でのスタートでした。私が担当する専門ゼミナールでは、3年次生が言語としてのドイツ語の働きに取り組みます。今年はドイツ語で書かれた概論書を使い、「複合語」や「派生語」の形成について学んでいます。

授業を進めていくと、講読テキストを画面に映し、電子ペンで重要なポイントを書き込みながら授業できるので、むしろオンライン授業の方がテキスト理解を深めやすいこともあるとわかりました。遠隔地から授業を受けられたり、交通機関の乱れの影響も受けずに済んだりと、オンライン授業には他にもいろいろな利点があります。コロナ禍が過ぎても、授業で使う意義が十分にあるでしょう。もっとも、学生のみなさんと直接関われないので、全てをオンラインで提供することは難しいですが・・・。

大学図書館の利用制限もあった中、今年の専門ゼミナール履修学生のみなさんも客観的にドイツ語の本質について考えることに熱心に取り組みました。いわゆる「主語が大きい」語りに足をすくわれず、ドイツ語で書かれた文章から偏りないデータを集め、それに基づいてドイツ語の振る舞いを直視できるようになったと思います。

専門ゼミナールの履修が終わるといよいよ4年間の学びの集大成である卒業研究に取り組むことになります。印象論に振り回されない客観的なものの見方は、社会生活でも役立ちます。周囲の人たちからの信頼も得やすくなるでしょう。今年の履修学生のみなさんがオンライン授業で身につけたスキルを活かし、卒業後も活躍できることを願っています。