人文学部ゼミブログ

2018.02.14

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  • ヨーロッパ文化学科

ニュースを通じて現代ヨーロッパを考える

ブログ投稿者:ヨーロッパ文化学科 専任講師 舘 葉月先生

1年生向けの基礎ゼミは、本や論文の読み方やプレゼンテーションの方法を実践的に学ぶ場です。プレゼンテーションのやり方はひとつではないですし、学生のみなさんの関心もいろいろですから、初年度に半年間のゼミを2回受講することで、いくつかの方法を学んでいきます。

 

今年度の私のゼミでは、自分でヨーロッパに関係する新聞記事を探してきてもらい、最初に基礎的事実の確認のための発表、続いてそこから関心を持ったことについての詳しい発表の計2回のプレゼンテーションをおこなってもらいました。

 

授業の最初に、日常的に新聞を読む人はいますか、と質問するのですが、ほとんどの1年生がまだそういった習慣はないようです。高校時代に図書館の本や雑誌を頻繁に使っていた人もそんなに多くありません。ですが、大学では、勉強したいテーマを自分で見つけること、関連文献を自分で探すことが求められます。武蔵大学の図書館は充実していますし、使い方についての親切なガイダンスもいくつも行われています。早いうちに使い方を学んでしまえば、4年間をつうじて有効に利用できるでしょう。

 

ゼミ開始当初は発表のやり方がよく分からず戸惑うようなのですが、いざ本番となると、みなさん、いろいろな国のさまざまな分野の面白い記事を選んできてくれます。たとえば、観光客の多さに苦しむイタリアの世界遺産都市、風力発電に取り組むデンマーク、イギリス離脱に直面したEU、フランスで盛んな若者のスポーツ、人気のフィンランド家具、などなど、本当にさまざまです。パワーポイントや映像を使ったり、クイズ形式にしたりと、工夫を凝らした発表をしてくれる人もいます。若者の労働や男性の育児休暇といった、身近に感じられてイメージしやすいテーマだと、とくに質疑応答が盛り上がります。

 

自分で発表を準備するだけでなく、毎回ほかの人の発表を聞くことで、今のヨーロッパで何が起こっているか、ほんの入り口までですが、いろいろな角度から覗くことができます。少しでももっと知りたいと感じるテーマを見つけたら、自分で読書を進めたり、関連講義を受けたりして、さらに世界を広げていってほしいと願っています。