人文学部ゼミブログ

2017.10.30

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  • 英語英米文化学科

アメリカ文学の原書を読む

ブログ投稿者:英語英米文化学科 准教授 新井景子

TheGreatGatsby
今年度の「アメリカ文学ゼミナール」では、F・スコット・フィッツジェラルドのThe Great Gatsbyを読んでいます。数年前にレオナルド・ディカプリオ主演で映画にもなりましたので、映画を見たことがあるという方もいらっしゃるかもしれません。1925年に発表されたこの作品は、ジャズエイジと呼ばれた1920年代の華やかな、しかし騒々しい時代を舞台に、大金持ちになってかつての恋人を取り戻そうとする主人公ギャツビーの夢と挫折が描かれます。
授業では毎回約10ページずつ小説を読み進めていきます。まず担当者があらすじ、難しい語句や社会背景に関する注釈、重要だと思われる部分や気になった部分についての考察を発表します。その後、発表者が提起した問題や教員が用意するワークシートを元にグループディスカッションを行い、さらにそれをクラス全体のディスカッションへとつなげていきます。クラス全員の前では発言するのが恥ずかしい方もいるかもしれませんが、少人数のグループディスカッションでは皆さん活発に意見を発表していて、毎回議論が盛り上がります。同じ1つの場面でも、それぞれ読み方・感じ方が違いますので、お互いの意見を話し合うことで「そういう読み方もあるのか」と作品が豊かに広がっていきます。原書を1冊読み通すということで、最初の頃は英語を読むことに苦労をすることもありますが、だんだんと慣れてくると、登場人物に親近感が沸いたり、また細かい描写に含まれる意味を読み取ったりと、作品分析も深くなっています。ゼミ生からは、卒業論文でThe Great Gatsbyを取り上げたい、あるいは小説の舞台となった1920年代のアメリカや当時の女性像についてもっと調べたいといった声もきかれるようになりました。