人文学部ゼミブログ

2015.06.25

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  • 英語英米文化学科

シェイクスピアはみんなの同時代人

ブログ投稿者:英語英米文化学科 専任講師 北村紗衣

皆さんはウィリアム・シェイクスピアの名前を聞いたことがありますか?聞いたことがない方もいらっしゃるでしょう。聞いたことがあるとしても、はるか昔のお堅い作家…というようなぼんやりしたイメージしかないかもしれませんね。

 

残念ながら、もしそういうイメージをお持ちだとしたらそれは完全に間違っています。シェイクスピアは詩人として詩作をする一方、プロの劇作家としてロンドンのお客のためにお芝居を書いていました。時代の好みを反映し、シェイクスピアのお芝居は人前で解説するのもはばかられるようなバカバカしい下ネタや、目を覆いたくなるような残虐な暴力表現が満載ですし、どんな悲しいお芝居であっても笑うところが必ずあります。さらに、シェイクスピアは単なる「昔の作家」ではありません。シェイクスピアは1600年前後にロンドンで活躍しましたが、現代でもひっきりなしに劇場にかけられ、英語圏では設定も衣装も全て現代に移して上演されることが多くなっています。さらに戯曲が映画やテレビドラマとして映像化され、いろいろなジャンルの作品に翻案され、1623年に発行されたシェイクスピア戯曲全集初版「ファースト・フォリオ」は5億円を超える額で取引されています。シェイクスピアは現代随一の人気劇作家なのです。

 

私が担当するイギリス文学ゼミナールでは、こうしたことを念頭におき、映画を見たり観劇をしたりしつつ、シェイクスピアの時代にはどういうふうにお芝居を上演していたのか、そして今はどのように上演されているのかを意識しながら戯曲を原文で読んでいます。今学期は『ロミオとジュリエット』を読んでいますが、「ジュリエットはなぜ14歳にも満たないくらい若いのか?」「なぜひとりだけやたらに台詞が少ない役があるのか?」などといったことを、当時の劇場の事情に即して考えます。上のような質問の答えを知りたいですか?では私のゼミにいらしてください。

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