人文学部ゼミブログ

2015.01.27

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米国教育の国際競争力を考える

ブログ投稿者:英語英米文化学科 教授 川島浩平

最難関大学の一つカリフォルニア大学バークレー校
最難関大学の一つカリフォルニア大学バークレー校
アメリカ教育制度に対する国際的な評価は、初等・中等教育と高等教育とで大きく異なります。初等・中等教育は、先進国の中で進んでいるはいえず、むしろ立ち遅れています(PISAという国際評価で長らく世界20位前後に低迷)。しかし高等教育をみると他国に群を抜く優位を保っています(『タイムズ』による国際評価で2013-14年度世界トップ10のうちで7校を占める)。なぜ初等・中等教育と高等教育でこのような格差が生じているのでしょう。川島ゼミ[アメリカ史ゼミナール]は、その答えを歴史に求めます。前期に初等・中等教育、後期に高等教育に焦点を当て、専門書を講読し、発表と質疑応答を重ねます。そして、19世紀末から20世紀初頭にかけて興隆した革新主義というアメリカ特有の改革運動について学び、この運動が、初等・中等教育と高等教育それぞれの制度にもたらした対照的な影響についての理解を深めます。

 

受講者のなかには教職を志望する人も少なくありません。日本の教育界はアメリカの改革運動から多くを学んできました。川島ゼミでの学習から、今後日本の教育を進むべき道へのヒントを得ることもできます。

 

ゼミは大きく二つのサイクルに乗って進行します。一つは邦語文献の講読、質問票の配付と回答、担当者による発表、そして質疑応答です。もう一つは英語文献の講読、翻訳の提出、添削と返却です。二つサイクルは最終課題で合流し、学期の学習の総点検がおこなわれます。

 

OBやOGがゼミを訪問することもあります。2014年度は一人のOBの訪問が夏期インターンシップ経験へと結びつきました。