人文学部ゼミブログ

2013.05.08

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  • 英語英米文化学科

恐怖小説を英語で読む

ブログ投稿者:英語英米文化学科 教授 新納 卓也

恐怖小説を英語で読む (新納卓也)
『ねじの回転』英語テキストの表紙(一部)
今年度の「英語圏文化ゼミナール」では、恐怖小説を研究対象として、英米文学のなかでも良く知られた作品を選んでそれを精読するといった内容の授業をおこなっています。恐怖小説というジャンルは、なによりもまず、ハラハラする物語展開を楽しむことができる点で面白いのですが、このゼミではさらに作家が物語に通じて描き出そうとしている人間心理をめぐる洞察を読み取ることを目的としています。

前期に取り上げている作品は、ヘンリー・ジェイムズという作家が書いた『ねじの回転(The Turn of the Screw)』という恐怖小説です。あるお金持ちの男性に依頼され、両親が亡くなって召使いとともに大きな屋敷で暮らす幼い兄妹の家庭教師の仕事を引き受けた若い女性に次々と恐ろしい出来事が展開してゆくという物語です。

恐怖小説を英語で読む (新納卓也)
『ねじの回転』英語テキストの表紙(全体)
このゼミの学習は、予習用の資料を授業専用のサイトからダウンロードし、その資料に書かれたポイントや質問について調べたり、じっくり考えてくることから始まります。毎回ゼミの開始時に、資料を参照しつつ事前学習をしっかりおこなってきているかどうかを確認するための小テストを実施しますので、参加者にとって予習は必須の作業ということになります。
恐怖小説を英語で読む (新納卓也)
グループ学習の様子。お決まりのピースはご愛敬。
小テストのあとはグループに分かれ、討論形式でさまざまな問題について検討・考察をおこないます。重要箇所の英文読解はもちろんのこと、物語展開や人物描写に関する分析、ある主題が反復されている箇所の指摘など、小説作品の理解を深めるための課題を教員の私がどんどん出していきますので、それについての見解をグループ内の意見交換によってまとめてゆくのです。毎回各グループでリーダーを決め、皆の意見をまとめる役を果たすことになっていますので、ゼミが進むにつれて誰もが次第に討論に積極的に参加できるようになってきます。
物語は4章にまで進み、いよいよ女主人公に恐ろしい出来事が起きてきました。さてどうなるのか…ということで皆どきどきしながら読み進めているようです。この作品は翻訳も多数出ていますのでぜひみなさんも読んでみてください。面白いですよ。