人文学部ゼミブログ

2012.09.25

  • 人文学部
  • 日本・東アジア文化学科

2012韓国ゼミ合宿(渡辺直紀)

2012韓国ゼミ合宿(渡辺直紀)
今年も毎年恒例の韓国ゼミ合宿を開催しました。このゼミ合宿は、人文学部だけではなく、武蔵大学で韓国語や韓国文化を学ぶすべての学部・学科の学生が参加できる、ミニ修学旅行のような合宿です。例年は1年生が参加者の中心でしたが、今年は、各学部、各学年の多くの学生 (ただしみな女子学生)が参加してくれました。

 

全般的に天候にめぐまれ、また旅程の後半はとても気持ちいい秋の風が吹き、参加者はそれぞれ爽快かつ充実した日々を過ごすことができました。旅行では、ソウル市内の観光地を見学する以外に、これも毎年恒例の、高麗大の学生たちとの交流会もありました。参加の学生たちは、さまざまな思いを抱いて、多様なテーマについて話をしていたようですが、それぞれにビギナー韓国語を駆使しながら、自分の学んだ韓国語が実際に通じることの喜びを感じていた人も少なからずいたようです。旅行の前は、領土問題でギクシャクする両国関係が、この旅行にも悪い影響をおよぼすのでは、と心配する学生も多くいましたが、このような時期だからこそ、現地に行って、自分たちと同じ年代の学生たちの、いろいろな意見や反応に接することも重要なのだ、ということは、この合宿に参加したすべての学生が実感してくれただろうと思います。

 

今回の地方日帰り旅行では、ソウル郊外の江華島(カンファド)に行ってきました。古代・中世からの遺跡や寺刹などがあり、開化期のモニュメントも多いこの島は、実は島の北側の対岸にすぐ 北朝鮮が見えるという、軍事的にも重要なところです。移動中に山の合間に見え隠れする北朝鮮の山々を興味深げにながめる学生も多くいました。ある公園では韓国の海兵隊のみなさんに請われて写真を撮るという一幕もありました。前夜のテレビニュースでもやっていましたが、彼ら海兵隊は、今回の台風で北朝鮮から この島の沿岸に流れ着いた地雷の除去作業で忙しかったはずなのです。そのことを説明すると、また複雑そうな表情をうかべる学生もいました。

 

グルメあり、韓国語でのコミュニケーションあり、歴史に思いを致し、現代社会の諸問題を考える——今年も充実したゼミ合宿になったと思います。参加されたみなさんは、みなめいめいに、また韓国語や韓国文化の学習に邁進してくれるでしょう。

(写真は昌徳宮の楽善齋前にて)