人文学部ゼミブログ

2010.11.10

  • 人文学部
  • ヨーロッパ文化学科

比較口承文芸演習(嶋内 博愛)

比較口承文芸演習(嶋内 博愛)
鈴木滿名誉教授からこの看板授業を引き継いで半年。「まだ」なのか「もう」なのか。皆さんにとって「やりがい」のある「充実した」授業になっているのかどうか。着任以来、試行錯誤の日々が続いています。
 
現在このゼミを履修しているのは、2年生以上のヨーロッパ比較文化学科 比較文化コースの学生さんたちのなかで、「口承文芸」に興味をもつ人たちです。
 
口承文芸(Oral literature)とは? 読んで字のごとく、文字によらず口伝えで伝承される文芸の総称です。たとえば、メルヒェン、伝説、民間説話(民話、 folk-narrative)のほか、民謡、ことわざ、唱えごと(おまじない)、あるいはなぞなぞやうわさ話などもここに分類できます。この分類に従えば、「トイレの花子さん(学校の怪談)」も口承文芸の一種として研究の対象になってきます。
 
このように、誰もが耳にしたことがある口承文芸をどのように分析するのか、その方法について学ぶのがこのゼミの目的です。とはいえ、いきなり理論を学ぶのではなく、まずはその具体像を知るべく、 2010年前期は口承文芸の中でも「唄(たとえば民謡)」に的を絞り、グループ毎に選んだ1曲について掘り下げてみました。後期は、前期の蓄積を生かしながら、目下関係論文を輪読しています。
口承文芸やそれを分析する手法についてじっくり学べば、きっと、これまで荒唐無稽なありえない話としかみえなかった「お話」に違う側面を発見できたり、それらと現実社会との接点が垣間見えてきたりするはず。ともあれ、まだまだ現在進行形でゼミを作っている最中ですので、アイディアがいただければ、どんどん取り入れていきます。皆さんも一緒にゼミを作っていってみませんか?