人文学部ゼミブログ

2008.02.02

  • 人文学部
  • 英語英米文化学科

英語圏の芸術演習1・2(岩佐愛)

今年度の<英語圏の芸術>ゼミでは、前期に美術史の入門テキストを講読し、後期は講読を通じて学んだことを生かしつつ、各人が好きな作品を選び「ミニ展覧会」を構成するという設定で発表を行いました。
 
前期のテキストは原書を読むつもりでしたが、ちょうど前年に日本語版が出たのでそちらを使ってみることにしました。英米比較文化学科のゼミでは英語文献の講 読が必須となっているため、日本語版では退屈する恐れもありましたが、このテキストが意外に曲者で、予定通りに前期で精読を終わらせることができなくなっ てしまいました。後で学生に聞いてみると、やはりこのテキストが難しかったとの声が多かったです。しかしテキストを読むことで、西洋美術史を学ぶ上で前提 となる美術作品や美学・哲学の知識を得ることができたのは異分野を学ぶ学生にとっても意味があったと思います。
 
後期は自分の好きな作品を3つ選んで発表できるので、これを楽しみに前期のテキスト講読に耐えた(?)人もいるかもしれません。皆が全くバラバラな作品やジャンルを選ぶことを想定して、あらかじめ全体の共通テーマを一つ決めてもらいました。テーマの候補として最近の美術史研究で主要なテーマとなっているものを幾つか私の方で挙げました。するとどういう訳か、<心理/精神>という比較的難易度の高いテーマを学生達が選んでしまいました。発表では共通テーマを軸に作品を扱わなくてはな らないので、テーマよりも作品の好き嫌いを優先して選んでしまうと後で思わぬ苦労をすることになります。結果的にかなり苦労した人も少なくなかったようです。ところがそもそも共通テーマを選んだのは自分たちなので、私に直接文句を言えないのが辛いところです。
 
また後期には発表内容をレポートにまとめる準備として、書庫ガイダンスを兼ねて美術史関連文献調査のための図書館ツアーも行いました。1年間このゼミで学んだことと合わせて、4年次の卒論/英文エッセイ執筆に是非役立てて欲しいと思います。