人文学部ゼミブログ

2008.01.06

  • 人文学部
  • 英語英米文化学科

英米比較文化入門演習 (吉川純子)

この演習は、本学科の1年生全員が受講する科目です。内容は、本学科で学ぶ分野の入門的な内容ということで各教員に任されていますが、ここでは今年の私の演習の紹介をしましょう。私の専門分野はアメリカ文学・アメリカ文化です。
 
大学の授業は1回90分ですが、私はこの演習を三部(各30分程度)に分けています。第一部は「スタディ・スキル」、つまり大学での勉強のしかたを学びま す。大学では、学生は自ら学ぶ意欲を持つ大人として扱われます。ノートのとり方、テキストの読み方、必要な資料の探し方、レポート・論文の書き方など、大人としての勉強のしかたを丁寧に教えます。
 
第二部は、20世紀アメリカのニュース・フィルムとその原稿をテキストに、アメリカ史を振り返りつつ英文読解力をつけます。文学・文化を学ぶためには、歴史の知識が必要不可欠ですが、高校ではアメリカ史を詳しく学んでいないかもしれないので、ここで知識を増やします。第一部のスタディ・スキルで学んだことを生かして、学期末にはアメリカ史のなかから各自が選んだトピックで4000字程度の小論文を書きま す。
 
第三部は「大人入門」と題し、本学科で学ぶ分野にとらわれず、今の日本で大人として生きていくために必要だと私が思うこと、それなのに学校 でも家庭でも意外と教えてもらえないことをお話しています。たとえば今年は、「日常生活にひそむリスク」として、食品添加物、電磁波、合成洗剤や化粧品な どに含まれる有害物質、性感染症、ゲーム類の悪影響などを、資料をもとに説明しました。
 
大学に入ったばかりの皆さんに知っておいてほしいことはたくさんあるので、盛りだくさんな内容の演習になっていますが、受講した学生からは「大学に入る前とは違った自分になった気がする」「世界の見え方が変わった」という感想をもらいました。