経済学部ゼミブログ

2025.05.15

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日本と韓国 2つの国から見るDEI

ブログ投稿者:経営学科 准教授 内藤 知加恵

みなさんは、DEIという言葉を聞いたことがありますか?DEIとは、Diversity(多様性)・Equity(公平性・衡平性)・Inclusion(包摂性)の頭文字を取ったものです。近年、この「DEI」を推進することを経営課題として掲げる企業が多く、CSRや就職活動のWEBサイトなどで目にすることも多い言葉です。
 
今回、経営学科の内藤ゼミでは、DEIをテーマに、日産自動車のエンジニア ウ・ミンスさんを特別講師にお招きし、2年生と3年生への授業をしていただきました。
エンジニアとして自動車の内装デザインのお仕事をされていたウさんが、DEIに関心を持つようになったのは、日本で働き始めてからのことでした。
 
日本のものづくりを知りたいという気持ちから、日本企業での就職を選択したウさん。実は、韓国にいるときには、自分がマイノリティ(少数派)になることはほとんどなく、マイノリティの気持ちを考える機会そのものがなかったそうです。ところが日本に来て、周りは日本人&男性が大多数という製品開発の現場で、はじめて自分がマイノリティになる経験をしました。
 
同時に、自分自身や家族を含めて、誰しも何らかの「マイノリティ性」がすぐ身近にあることに気づいたそうです。「まずは、日常生活から、周りにバイアスが多いことに気づく」、そして、「具体的な行動を通じて、お互いに尊重し合う」など、学生にも実践できる行動を提案してくださいました。また、グローバル企業である日産自動車が進めるDEI施策や、その効果についても、丁寧にお話しいただきました。
後半は、学生からの質問にお答えいただきました。ウさんのDEIに対する意識や行動がどう変化していったのか、それは何がきっかけだったのか、家庭内の公平を実現するには企業には何ができるのか、海外の方とどうやったら仲良くなれるのか、など、様々な質問が投げかけられました。
授業後の学生の感想です。
「自分も環境を変えて、マイノリティになってみようと思った」
「「マイノリティを採用してもマジョリティが変わらなければ意味が無い」という言葉が印象的だった」
「自分からマイノリティを経験することは、自分の価値観を広げることにつながるのだと理解できた」
 
韓国と日本、二つの国を知るからこそ見えるDEIの姿を、学生達と共有していただきました。ウさん、ありがとうございました。