経済学部ゼミブログ

2024.01.30

  • 経済学部
  • 金融学科

アウトプットを目標にする

ブログ投稿者:金融学科 准教授 中嶋 幹

専門ゼミナール第2部では、これまでの学修成果をアウトプットする(成果を出す)ことを目標にしています。具体的には、大学生を対象とするコンテストへの出場や論文執筆など様々です。その中から、ゼミ生自身が目標を設定し、班ごとに取り組んでいきます。今年度は、証券ゼミナール大会、日経STOCKリーグ、本学ゼミナール大会に取り組みました。それぞれの活動の様子とゼミ生の感想を紹介します。

証券ゼミナール大会班

(写真1)大会開始直前の最終打合せの様子
証券ゼミナール大会は、証券・金融に関する諸問題について実証的に研究した上で、その成果をもとに討論する大会です。全国の大学のゼミや研究会が一堂に会し、各ブロックに分かれて終日討論します(写真1)。
ゼミ生が選定したテーマは「持続可能な社会の実現に向けたサステナブルファイナンスのあり方」で、持続可能な社会を実現する上での課題を克服する方法について考察を重ねてきました。「証券や金融に関する知識が培われるとともに、思考力や独創力を成長させることができた」「証券ゼミナール大会の特徴である他大学との討論を通じて、自分達と異なる意見の交換や斬新な研究結果の提案を通じて互いに切磋琢磨に励むことができた」と充実した様子がうかがえました。

日経STOCKリーグ班

(写真2)ポートフォリオのパフォーマンス計算の様子
日経STOCKリーグは、経済・株式投資の基礎を学んだ上で、自ら投資テーマを選定し、ポートフォリオを構築することを競う大会です。現在の投資環境下で、オリジナリティがあり魅力的な投資アイデアを提案できるかが問われます。ゼミ生が選んだテーマは「eスポーツへの投資」です。近年、eスポーツの認知度は高まっていますが、投資テーマとして有用かどうかは別の問題です。ゼミでは、この点を中心に綿密な議論をしてきました(写真2)。
「スクリーニングなど、初めて聞く専門用語が多くて大変だった」「他大学との中間報告会(注:東北学院大学および武蔵大学のゼミとの合同発表会)では緊張したが、お互いの意見交換を通じて課題が見つかり、有意義な機会になった」とのことでしたが、「株式の知識が全くない状況からスタートしたが、みんなで協力して、知識もついて、素晴らしいレポートが書けそうだ」という言葉通り、立派なレポートを完成させることができました。

本学ゼミナール大会班

(写真3)発表当日の様子
本学のゼミナール大会(ゼミ対抗研究発表大会)は“ゼミの武蔵”を代表するイベントの1つで、経済学部の学生が日頃の研究成果を競い合います。ゼミ生が研究したテーマは「同族企業は立ち直りが早いのか」についてです。非常時における企業経営のリーダーシップの重要性を検証する観点から、同族企業のレジリエンスに注目しました。当初の研究計画は全く異なる内容でしたが、研究の社会的な意義や仮説の検証可能性(feasibility)を何度も検討した結果、現在の研究テーマを選定することにしました。初めて取り組む実証研究に苦戦しましたが、冬休み中も大学にきて研究を続けた結果、何とか発表当日に間に合わせることができました(写真3)。
「発表内容を理解したつもりでいたが、質問に上手く受け答えができなかった」「他のゼミの内容が凝っていて、聞いていて面白かった」と大きな刺激を受ける一方、「今まで全くやった事ない未知の挑戦だった」「やっと学生らしいことができてよかった」と確かな手応えを感じた様子でした。