経済学部ゼミブログ

2018.11.29

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FDA理事長の成澤俊輔さんにヒアリング

ブログ投稿者:経営学科 教授 山﨑秀雄

 10月23日の午後、山﨑ゼミの2年生5名が、川崎にある特定非営利活動法人Future Dream Achievement(FDA)を訪問し、ヒアリング調査を行いました。この5名は現在、ゼミ対抗研究発表大会に向け、企業における障がい者雇用の定着と組織マネジメントとの関係に関する研究を進めています。FDAは,障がい者やひきこもり、うつ病などの方々の就労支援を行うNPO法人です。

 

ご対応くださったのは理事長の成澤俊輔さんです。成澤さんは、2016年にダイヤモンド・ハーバード・ビジネスが選ぶ「未来をつくるU-40経営者20人」に選出され、その翌年には日本青年会議所が選ぶ「人間力大賞」の経済産業大臣奨励賞・全国知事会会長奨励賞を受賞されました。世界的に有名な「TED」でプレゼンテーションもされています。また,成澤さん自身も視覚に障がいをお持ちですが、ご自分のことを「世界一明るい視覚障がい者」とよばれています(成澤さんの「すごさ」はここには書き切れないので、詳細は成澤さんのご著書『大丈夫、働けます。』(ポプラ社)をお読みいただければと思います)。

 

成澤さんは、様々な働きづらさを抱えた方々の就労支援における、若きイノベーターです。成澤さんは就労支援を進めるにあたり、1業界1社を基本に、成澤さんの思いに賛同してくれる企業とのお付き合いを大切にされているそうです。より良好な雇用環境を作るため、経営トップと直接会って対話を重ねられていて、そうした取り組みの結果、FDAから就労した人の半年後の職場定着率は実に9割を超えています。

 

障がい者の方々を雇い入れた企業に生じた変化に関しても、とても興味深いお話をうかがえました。雇い入れた企業の従業員は、その後、従業員同士で、またお客様に対して「お節介」をするようになる(エンゲージメントを高める)傾向があるそうです。また、自分自身の強み・弱みをより深く認識したり、既成概念にとらわれない考え方をするようになるといった変化もみられるそうです。障がいを持つ者の方々の職場定着と企業の組織活性化を同時に図るヒントをたくさん得ることができました。

 

さらに成澤さん流のプレゼンの極意も伝授いただき、本当に学び多き時間でした。学生たちにはこの貴重な機会を存分に活かし、より質の高い、意義ある研究成果に結実させてほしいと思います。