経済学部ゼミブログ

2014.06.05

  • 経済学部
  • 経済学科

経済学的思考を学ぼう

ブログ投稿者:経済学科 准教授 広田啓朗

広田ゼミでは、ゼミで学ぶ目的として、①集団行動における個人のあり方を学ぶ ②指示待ちではなく自らが考え動く ③問題発見能力・経済学的思考能力・問題解決能力を身につけること、を意識しています。特に、1年生の教養ゼミでは、経済学的思考能力とプレゼンテーション能力の向上を意識して経済学の学習に取り組んでいます。
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経済学的思考能力とは何でしょうか?私たちは、日常生活の経験から、同じことが何回も繰り返し起こるうちに、その現象を一般化して考える帰納法という思考法を使って判断することがよくあります。例えば、「静岡出身のAさんはサッカーが好き」「静岡出身のBさんはサッカーが好き」と繰り返し同じタイプの人と出会うと、「静岡出身の人はみんなサッカーが好き」と結論づけることです。しかし、この思考法では、音楽が好きな静岡出身のCさんがいると結論が成り立たなくなります。そこで経済学的思考法を含む演繹法が必要となります。演繹法とは、一般的な前提から、より個別的な結論を得る推論方法です。有名な例として、次のようなものがあります。「人間は全て死ぬ」という大前提、次に「ソクラテスは人間である」という小前提があり、最後に、「ゆえに、ソクラテスは死ぬ」という結論が得られます。この思考法では、仮定が正しければ、仮定から結論を導く手順を間違えないかぎり、結論は必ず正しいものとなります。この推論方法のように、経済学では、「個人は商品を購入することから得られる満足度が最大になるように商品の需要量を決定する」というような、いくつかの仮定のもとで「人々は商品の価格が下がれば、その商品の需要量を増やす」という結論を導きます。ゼミでは、電車の運賃やアルバイトの時給などがどのように決まるのかというテーマについて、経済学の基本的な分析ツールを用いて学んでいます。
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また、論理的に考えたことを正確に相手に伝えるというプレゼンテーション能力も大切です。ゼミでは15人を3人ずつのグループに分けて、毎週各グループにプレゼンテーションをしてもらいます。報告グループはプレゼンテーションの準備する中で、集団行動や自らが考えて動くことを学ぶだけでなく、どのようにすれば相手にわかりやすく自分の考えを伝えることができるか、プレゼンテーションを通して学びます。さらに、グループ間のディスカッションを通じてゼミ生同士の交流が深まることは、ゼミ学習が持つ大きな特徴です。