JALとANAの財務諸表分析

現在私のゼミの２年生は，今月末に開催される明治学院大学との合同ゼミに向けて頑張っています。明治学院大学とは毎年合同ゼミをおこなっていますが，初めて参加する２年生は例年，他大学の学生さんとのディスカッションに大いに刺激を受けています。　
 
今回の共通テーマは，「JALとANAの会計分析」。前期のゼミでは，「財務諸表分析入門—EXCELで分かる企業力」という教科書で，財務諸表分析の基礎と，そのテキストでいう「企業力指数」の求め方を勉強してきました。そこで，会社更生法適用となるJALと存続企業であるANAの違いが事前に財務諸表にあらわれていたのかを，企業力指数を比較することで確認することにしました。
 
しかし，いきなり会社の財務諸表をみても適切な分析はできません。会社が属する産業がどのような経済環境に直面しているのか，その産業の中で各社はどのような経営戦略をとっているのか，そうした環境や戦略は会計数値にどのように現れるのか，といったことについて十分な検討が必要となります。そこで，ちょっと難しいのですが，ハーバード大学ビジネススクールのテキストでもあった「企業分析入門」（もちろん日本語版）で補足しながら，３つの班に分かれて，夏休みの間に，産業分析・経営戦略分析，会計数値の信頼性に関する分析，企業力指数の計算をそれぞれおこないました。