経済学部ゼミブログ

2008.05.19

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  • 経営学科

学部横断型課題解決プロジェクト

ブログ投稿者:経営学科 高橋徳行

武蔵大学には、他の大学では受けることのできない面白い授業があります。それが、平成20年度からスタートした「学部横断型課題解決プロジェクト」です。この授業では、経済学部だけではなく、人文学部、社会学部とも一緒になって、企業から提供された課題を、協働して解決します。経済学部の学生にとって、語学や大教室の授業を除けば、他学部と一緒に授業を受ける機会はほとんどありません。仮に一緒でも、それは、同じ場所を共有しているだけで、他学部の学生と、それぞれの専門性を背景に議論したりすることはないでしょう。
 
しかし、この授業は違います。前半は、各学部が専門性を生かしながら、独自に課題に取り組み、後半は、その成果を生かして、一つの成果物にまとめます。この「まとめ」や「統合」が、ものすごく大変で、またとても勉強になるのです。
 
昨年度、実験的に行なった授業では、「採用活動において中堅情報関連企業と文科系大学生の間により良いコミュニケーションを構築するためには」という課題に取り組みました。前半は、経済学部は経営の仕組み、人文学部はロゴマークなどのイメージ分析、そして社会学部は文系学生が捉えるソフトウエア企業のイメージなどの調査を行ないました。その後、後半は、3つの学部の成果を持ち寄り、文系学生向けの採用試験問題や文系学生を意識したホームページを作成したのです。
 
最終的には素晴らしいものが完成しましたが、ゴールにたどりつくまでは修羅場でした。「何を作ればいいの」「誰がリーダー?」「もう一緒にやりたくない」「調べたことが反映されていない」といった愚痴などは日常のものとなり、他学部との話し合いの後、泣き出す学生もいました。
専門分野の違う者同士が協働する。これは、大学では珍しいことかもしれませんが、社会に出ると当たり前のことです。そして、異なった専門分野の人と接することで、自分の専門とは何かを深く考えるようになります。この授業は、専門とは何か再認識させることによって、学習の動機付けを行い、また、社会人としての基礎的な能力、すなわち、主体性、傾聴力、そしてストレスコントロール力なども養おうとする、少し「欲張った」ものです。しかし、効果は絶大。 今年度の前期は、工作機械メーカーの牧野フライス製作所と制御機器の鷺宮製作所から課題をいただき、経済学部の学生は、他学部の学生と課題に取り組んでいます。最終報告会が終わるのは夏休み直前ですが、学生がどこまで成長するのか、今から楽しみです。