経済学部ゼミブログ

2008.05.02

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今年も新しいゼミがスタートしました!

ブログ投稿者:経済学科 河合康夫

新学期が始まって約1ヶ月がたちました。この時期一番気になっていたのは1年生の教養ゼミです。私のゼミは、1年生の教養ゼミで参加した学生の比較的多く がその後、後期のプレ専門ゼミ、専門1ゼミ、2ゼミ、3ゼミと継続して履修することが多いので、学生にとってもどんな学生がゼミメンバーになるかは気にな るところでしょうが、教員の私にとっても大いに気になる関心事です。
 
幸い今年も楽しいゼミになりそうな予感がしていますが、1年生には特有の問 題があります。1年生のみなさんは、「ゼミの武蔵」に期待して入学される人がほとんどですが、ではゼミとはどのようなものなのか、はっきりとわかっている 訳ではありません。もちろん先生によってもゼミのやり方が違うということもありますから、期待するゼミのイメージと実際とが異なることもあると思います。
 
そこで、1年生には河合教養ゼミのやり方をまずマスターしてもらわねばなりません。私の1年生のゼミではこのところ、共通に全員が読んできたテキストを、 毎回冒頭にレポーターが数枚の紙にその内容を要約したもの(レジュメ)に基づいて報告し、その後小グループに分かれて(教員を含まずに)様々な論点につい て自由にディスカッションする、というやりかたをしています(ごく普通のゼミのやり方だと思いますが、ディスカッションを少人数に分けて、学生だけででき るだけ自由に発言できるようにしているところが特徴です)。実際にやってみればすぐに慣れるのですが、はじめは口頭で説明しても、具体的に報告するとはど ういうことか、ディスカッションするとはどういうことかを理解するのは意外と難しいようです。
 
レジュメについては、先輩が作った例をみせて、こ んなのを作ってきてね、と第一回目の報告者にお願いしましたが、やはりそれだけでは不安だったようで、オフィスアワーの時間に改めて作り方・報告のしかた について相談に来ました。第一回目の報告者は前例を見ていないので、どんな風に資料を作って、どう話したらいいのか、例年大変不安になるようです。
 
ディスカッションについても、私としてはあまり気負わずに、できるだけフランクに、思ったことを気軽にしゃべることから始めてほしいと思っているのですが (とにかくしゃべらなければ、コミュニケーション能力は伸びませんから)、いくら口で説明したところでこちらが期待する雰囲気が共有できるとは限りませ ん。そこで今年は一計を案じ、2年生のゼミ生にお願いしてディスカッション風景を少し撮影させてもらい、それを1年生に見てもらうことにしました。それを 見て安心してくれたのか、なごやかな雰囲気で皆さんしゃべってくれはじめ、まだまだしゃべるのが苦手な人はいるものの、全体としていい感じのゼミになって きています。
 
ただ、これまでそのようなことをしてこなかったのは、あまり上の学年の例を見せたくはない(機械的に他人のまねをしてほしくはな い)という気持ちも一方で働いているからです。ゼミはその時のメンバーの構成や時代の移り変わりの中で雰囲気が毎年変わっていくものです。ゼミ生には、言 われたとおりに動くのではなく、主体的にゼミのあり方に関わってほしいと思っています。先に紹介した現行の河合教養ゼミのやりかたも、ずっと以前から毎年 そうしているわけではなく、ゼミ生の提案を受けながら徐々に変わってきたものです。
 
今後もゼミのやり方には学生の意見があれば積極的に工夫を加えていくつもりです。このゼミはどんな風に進化していくのか、これからが楽しみです。