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2025.04.22

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お知らせ

国際教養学科 古瀬 公博 教授 共著『はじめよう! 経営学入門』が刊行されました

『はじめよう! 経営学入門』有斐閣 2025年4月21日刊行

古瀬 公博 (国際教養学科 教授)、軽部 大 (一橋大学 教授)、内田 大輔 (慶應義塾大学 教授)/著

本書の概要

本書は、一般的な経営学の本と大きく異なる差別性を、そのユニークな構成に求めています。その構成とは、経営学の基本的な役割や機能を、世の中に存在する課題発見とその解決に注目して説明している、という点です。
一般的な教科書では、協働という現象や会社組織という制度については触れられていますが、なぜ人は他者と協働し、企業という制度が誕生するかについてはまったく説明がありません。他者と人が協働するのは、自分ひとりでは解決できない社会の課題を解決するためであり、それを会社組織として解決を試みるのは、社会的課題を営利事業として持続可能な事業課題として取り組むためにあります。
経営学を身につけることは、共通の目的の下にあらゆる人が集い、解決すべき課題に協働で取り組む時に直面する難題を解決するための知恵袋や考える武器、解決につながる道具となるはずです。その意味で、経営学はきわめて実利的で、実践的な学問分野のひとつと言えるでしょう。
このような視点からユニークな構成をとりつつも、経営学における特定の領域にフォーカスするのではなく、さまざまな領域を網羅的に取り上げ、入門書として経営学という学問分野を鳥瞰できるようにしています。加えて、各章の導入にあるクイズや本編中の事例も、可能な限り読者の皆さんの現代的な関心に沿いつつ、他方で時代を超えて通用するような興味深いモノやコトを選択することに腐心しました。
本書は、研究の関心や手法も大きく異なる3名の研究者によってその執筆が進められました。それは、章ごとの機械的な分業ではなく、アイデアの出発にまで遡れば,おおよそ7年にわたる議論の結果として誕生したユニークな構成から成り立っています。どんな企業も創業から企業成長プロセスが始まるはずなのに、多くの教科書の冒頭では、創業プロセスが全く触れられず、後半部分で補足的に新規事業の立ち上げの問題と共に議論されることが一般的であることに違和感を感じるところから本書の企画が始まりました。経営学はすでに世の中に存在する既存の事業と企業の「操業者のための経営学」であるだけでなく、新たな事業と企業を世の中に生み出す「創業者のための経営学」でもあるべきというのが本書のメッセージです。

著者より一言

テキスト表紙に採用されているやまなみ工房所属の西橋直樹さんのイラストの亀のように、一歩ずつ着実に学ぶことのできる読者にとって手助けになるような教科書をつくりました。身の回りにある社会的課題の解決に、このテキストが参考になれば幸いです。(古瀬 公博)