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2024.12.16
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お知らせ
メディア社会学科 永田浩三 教授が『原爆と俳句』を刊行します
著者より一言

俳句は生と死の境界を詠う文芸と言われます。人類最大の悲劇のひとつである原爆に対して、俳句という世界で最も短い、わずか17音の詩のかたちがどのように向きあい、格闘を続けてきたのかをみつめた本です。正岡子規の時代から、俳句は花鳥風月にとどまらず、社会性・時事性を帯びたテーマを盛んに扱ってきました。原爆をどう詠むかは、俳人にとって試金石でもありました。1954年のビキニ事件を契機に、広島と長崎のひとたちは、相次いで「句集広島」「句集長崎」を世に送り出します。そこには、ダイナミックな人間のドラマがありました。年に一度、8月6日、9日に原爆忌を詠む、その営みを80年続けてきたことのすごさを思います。俳句という詩がどのような地平を拓き、ひとびとの核兵器への理解を深めることに貢献してきたかをわかっていただきたいと思います。
帯の推薦文は、ノーベル平和賞を受賞した日本被団協の田中煕巳代表理事が、オスロに向う直前に書いてくださいました。
(永田浩三)