卒業制作では「Music For People Project」に取り組まれたとか。どんなプロジェクトか教えてください。
「Music For People Project」は、ビートボックスで作った音楽を通して個人のストーリーを届けるプロジェクトです。フィリピン人と日本人の間に生まれ、日本に住んでいるジャパニーズ・フィリピーノ・チルドレン(JFC)のストーリーに焦点を当て、彼らがどんな感情を抱き、どんな道を辿ってきたのかを伝えるために、口から出る音だけで音楽を作り、ミュージックビデオ制作やイベントなどを行いました。
母がフィリピン人の私も、JFCの当事者です。食文化の違いで友達に冷たい目で見られたり、母も私も分からない難しい日本語の書類を出さなければならなかったり、幼いころから周囲に話しづらい様々な悩みを抱えていました。そういった感情を音楽にのせて共有し、また誰かの経験に共感することで、JFCやアイデンティティに悩む人達の心を癒やすことができれば、と思い取り組んでいました。曲作りを通して、私自身の気持ちも救われていきましたね。