子どもたちに楽しく文化を伝えたい
ローカルヒーローに賭ける思い

人文学部 日本・東アジア文化学科
高橋 日菜 さん(2025年4月入学)

#人文学部 #ゼミ・研究室 #在学生
ローカルヒーローを研究されている人文学部 日本・東アジア文化学科の石井龍太教授のもとで、ゼミ生とともにヒーローショーに参加されている高橋さんにお話を伺いました。

自分で考えたヒーローの衣装を着て AO入試を突破

ローカルヒーローに興味を持ったきっかけはなんですか?

スマホのケースにも「琉神マブヤー」
小学1年生のとき、家族で行った沖縄で出会った「琉神マブヤー」です。そのときはポスターを見かけただけでしたが、旅行後たまたまテレビで「琉神マブヤー」が放送されていて、すっかりはまってしまい、ずっとあこがれてきました。
マブヤーは、コメディ要素が強いところ、そして芝居もアクションもヒーローショーもすべて同じ人が演じていて、実際にイベントに行くと、いつもテレビで見ている方に会えるというのが魅力だと思っています。
 

武蔵大学に入学した理由は石井龍太先生のゼミがあったからですか。

自作のヒーローの衣装と
はい。高校時代に大学を調べていた時に、ローカルヒーローを研究している先生がいるということを知り、このゼミに入りたいと思い、受験をしました。わたしは総合型選抜入試のテーマ追及方式で、「ローカルヒーローを用いた多文化共生教育の提案」のレポートを書きました。その内容を深めるため、ローカルヒーローの最高峰である「琉神マブヤー」のスーツアクターの方々にインタビューをしに沖縄まで行きました。また、面接のときには、自作のヒーローの衣装を着て、臨みました。
 
 

ローカルヒーローが持つ伝達力

ヒーローショーについて教えてください。

ヒーローショーの様子
だいたい月に1回程度の活動です。小学校や市役所の空きスペースなどを借りて行います。1回の公演は30分で、そのあとに握手会や撮影会を行うので、だいたいヒーローとして活動するのは1時間くらいです。
はじめてヒーローとして着ぐるみの中に入ったときは、息苦しいし、視野が狭くてびっくりしました。自分では大きく動いているつもりでも、あとから動画を見返すと、動きが小さいなと感じました。アクションが派手だと子どもたちのテンションが上がるのでは?と思い、今は週に2回アクションジムに通っています。
 

ローカルヒーローのやりがいを感じるときはどんなときですか。

石井先生が開講されている遺跡発掘の実習で宮古島へ行ったときに、島でヒーローショーを行いました。狩俣集落に住む子どもたちに狩俣の文化や歴史を教える内容のショーで、最後にどれくらい理解してもらえたかクイズをだしたら、みんな全問正解だったのです!ちゃんと伝わっているということが感じられて、とてもやりがいを感じました。


ローカルヒーローの魅力はどんなところだと思いますか。

高校生の時、子どもたちに社会問題を伝える国際イベントを企画しました。ただ座って学ぶだけでは飽きてしまうだろうと思い、留学生の方にお願いして、その国のごはんをつくってもらったり、アフガニスタンで交渉にあたってるユニセフ職員の方と現地から中継を繋いでお話をうかがったりしたのですが、そもそも社会問題に興味がある子たちしか来ないという根本的な問題にぶつかりました。

ローカルヒーローは、その土地の方言を話すなどヒーロー自体に文化が息づいています。わたしも小学生の頃「琉神マブヤー」の主題歌やセリフから沖縄弁を自然に覚えました。ローカルヒーローには子どもたちに構えさせることなく、楽しく何かを伝える役割、コミュニケーションツールになるのではと考えています。

今後の夢などがあれば教えてください

来年は、受験時に自分でデザインしたヒーローをブラッシュアップさせて、自分で着て、テーマを楽しく子どもに伝えられたらいいなと思っています。それを卒業まで続けて、将来的にはローカルヒーローを広報という立場で広めていきたいと思っています。