原点は「野球と簿記」。
高校のチームメイトが歩んだ
日米公認会計士への道

経済学部 経済学科(2022年4月入学)
亀岡 快斗さん
土屋 拓真さん

#経済学部 #進路・就職 #在学生 #対談

武蔵大学在学中に公認会計士試験に合格した土屋さんとUSCPA(米国公認会計士)に合格した亀岡さん。

高校時代からの友人というお二人に、お話しをうかがいました。 

  • 公認会計士とは?
  • 企業の財務諸表(決算書など)が正しく作成されているか、独立した立場でチェック(監査)することを主な仕事とする、会計の専門家です。日本の国家資格であり、医師・弁護士と並ぶ難関資格の一つとされています。 監査以外にも、会計、税務、経営コンサルティングなど、幅広い分野で活躍します。

  • USCPA(米国公認会計士)とは?
  • 「U.S. Certified Public Accountant」の略で、アメリカ合衆国の公認会計士資格です。アメリカの各州が認定する資格であり、試験はすべて英語で行われます。 アメリカの会計基準や法律に関する知識が問われ、国際的なビジネスシーンや外資系企業、グローバルに事業を展開する企業などで高く評価される資格です。

野球と簿記の高校時代

——お二人は同じ上尾高校 商業科の出身で、ともに野球部のチームメイトだったとうかがいました。

亀岡:90人もいる大所帯の野球部で土屋はレギュラーとして活躍していたんですけど、僕はあまり試合に出られていませんでした。野球で結果を残せていない中、まずは勉強で結果を出そうと思って、2年生からは勉強にも注力しました。
 
土屋:亀岡は野手として毎日基礎的な守備練習をひたすらやっていて、小さな積み重ねを毎日継続できる努力家です。高校1年生の時は自分の方が成績が良かったのですが、2年生になってから(亀岡が)急激に勉強の才覚に目覚め、気づいたら抜かれていたのが悔しかったのを覚えています。
 

——高校時代からお二人とも勉強は得意でしたか?

亀岡:簿記は得意でした。
 
土屋:上尾高校では当時、全商簿記を全員受験するよういわれていました。試験直前期は、簿記が苦手で点数が伸びない野球部員は、部活の時間でも午後から勉強会をします。ある日、顧問の先生から「土屋と亀岡、ちょっと来い」と呼びだされ、亀岡と2人で「やばい。何か怒られるようなことしたっけ?」とソワソワしながら行くと、「簿記が苦手なメンバーにお前ら教えてこい」と言われたこともありました(笑)
 
亀岡:2人で教えに行ったのは懐かしいです。

大学入学後、それぞれの目標に向かって

——資格の勉強はいつ頃から始めましたか。またお二人の交流は続いていましたか?

土屋:僕は大学1年生の頃から公認会計士の勉強を始めていました。お互い授業の合間などに会ったときには、勉強のことや監査法人のことなどを話していました。
 
亀岡:僕がUSCPAの受験を決めたのは3年生になる前の春休みです。インターンシップで1ヶ月間、アメリカの語学学校のオフィスで働いたのですが、任された仕事が動画編集など経験がない分野だったので、あまり自分が貢献できていないように感じました。
この時、将来働く時に自分の武器となるもの、専門性が必要だと強く思いました。自分の強みは会計の分野で、グローバルに活躍したい思いもあったので、USCPAしかないと思い、帰国してすぐに勉強をはじめることにしました。
 
土屋:亀岡は英語が得意なんです。
 
亀岡:土屋が公認会計士試験に挑戦していたことも、自分の挑戦を後押ししてくれたように思っています。USCPAの受験を決めたことを話した際に、「絶対に2人で受かろう」と言葉を交わしたのをはっきりと覚えています。
 

——試験勉強はどのようにされていましたか。大変だったことがあれば教えてください。

土屋:毎日平均8時間。試験直前期では、平均10時間以上は勉強していました。当時はそのような生活が当たり前になっていたので、あまり辛いと感じなかったのですが、今そのような生活をしろといわれたら絶対できないので、相当努力していたのだと思います。
 
亀岡:勉強中心の生活でしたが、試験にかかる費用を自己負担すると決めていたので、バイトとの両立が大変でした。試験の前日に夜までバイトをして、試験をうけたこともありました
 

——お二人ともストイックですね。武蔵大学での授業が資格取得に役立った点はありますか?

土屋:経済学部には会計コースがあるので、簿記や企業法、監査論、など大学の授業の履修が会計士試験の勉強に結びつきます。一方で会計士試験の勉強が大学の授業やテストで生きるという場面もあり、理解が深まり資格試験に取り組みやすかったです。
 
亀岡:USCPAに関しても同様で、ファイナンスや管理会計の授業が非常に役立ちました。英文会計といってUSCPAで必要な簿記も学ぶことができます。USCPAの資格取得を目指す方は、英文会計に対して抵抗がないかどうか、授業で事前に確かめてみるのも良いと思います。

母校・上尾高校を訪れて

——資格取得までを振り返っていかがですか

亀岡:同じ高校で同じ野球部にいた二人が、同じ大学に進学して日本とアメリカの公認会計士が生まれたら面白い、というのはずっと思っていて。自分は少なからず土屋がいるから頑張ろうと思えました。土屋が論文試験に合格したときは、僕も早く合格したいなと思っていました。
 
土屋:数ヶ月前、二人で一緒に母校(上尾高校)に行ってきました。野球部の顧問の先生をはじめ、お世話になった先生方にご挨拶にうかがったのですが(先生方には)「遠い存在になっちゃった」といわれました(笑)
 
亀岡:二人とも高校時代から大きくは変わってないと思いますけどね(笑)
 
土屋:同じ大学に進学した卒業生が、日本とアメリカの会計士の資格を取ってそろって挨拶に来るというのは、上尾高校の歴史の中でもなかなか無いんじゃないかなと思います。2人でこういった状況をつくることは僕にとってもモチベーションになっていました。

——お二人とも会計業界で働かれますが、今後の展望についてお聞かせください。

土屋:公認会計士だから任せられる、というのではなく土屋に任せたい、コンサルをしてほしいっていわれるような人間になりたいです。ゆくゆくは独立開業して自分にしか見出せない価値を提供していけたらと思っています。
 
亀岡:グローバルな環境で働き続けたいと思っています。自身が組織やチームの中で働くのが向いているのか、独立するのが向いているのか、方向性を見極める意味でもまずは組織の中で頑張って社会に貢献したいです。