社会学部ゼミブログ

2026.10.23

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卒業論文の完成まであと少し——ゼミ生たちのフィールド調査

ブログ投稿者:社会学科 教授 安藤 丈将

  社会学部では、卒業論文・卒業制作が必須です。卒業論文は2万字以上という規定があり、多くの学生にとって、卒業前の最後の大きな壁になっています。
 
 私のゼミでは、全員が自分で調査する場所を決め、実際にそこを訪問する「フィールド調査」に取り組んでいます。3年生から調査を始め、これまでに、現地を訪問してボランティアなどをしながら様子を観察したり、図書館などで文献を調べたりしてきました。そして、調べたいことを絞り込み、質問を考え、実際にアポイントを取って取材をする。現在は、そこで聞いた話や集めた資料を整理し、卒業論文にまとめる段階まできています。
  Aさんは、「地域猫」について研究しています。猫は人気のあるペットですが、飼い主に捨てられたり、飼い主のいないまま増えたりする猫も少なくありません。そうした猫は、糞尿やゴミあさりなどによって、近隣の住民から迷惑に思われることもあります。
 
 Aさんが調査対象に選んだのは、首都圏のある地域の団体です。この団体では、地域の住民と協力しながら猫を育てています。糞尿の対策をしたり、住民からのクレームに対応したり、猫をめぐる問題について住民に理解してもらうための活動をしたりしています。Aさんは、猫と住民の双方にとって暮らしやすい地域をつくるためには何ができるのかを考えながら、卒業論文の最後の仕上げに取りかかっています。
 Bさんは、「農山村移住」を研究しています。都市を離れて「田舎暮らし」をしたいと考える人たちを惹きつけている、近畿地方のある町を調査する場所に選びました。地方では人口減少が進んでおり、移住してくる人への期待は高まっています。一方で、これまで暮らしてきた場所とは文化や生活環境が大きく違うため、移住先で生活を続けていくことは、決して簡単ではありません。
 
 Bさんは、移住先の地域に馴染みながらも、自分らしい生き方や自由を追求する移住者に話を聞いてきました。そして、移住した人がその地域で暮らし続けるための、意外な「秘訣」を見つけたようです。こちらも、いよいよ最後の仕上げにかかっています。
  二人以外の学生も、それぞれ自分で選んだ調査先を訪れ、現場の空気に触れ、そこでしか聞けない興味深い話を聞いてきました。社会学のフィールド調査のおもしろさは、文献を読んで考えるだけではなく、実際に人に会い、現場を見て、自分の目と耳で確かめることにあります。
 
 もちろん、現地に行ったからといって、すぐに答えが見つかるわけではありません。むしろ、実際に話を聞いてみると、最初に考えていたこととは違う発見があったり、新しい疑問が生まれたりします。そこからさらに考え、調べ、また現場に戻る。その積み重ねが卒業論文につながっていきます。
 
 卒業論文の締め切りまであと少し。いよいよ最後の追い込みです。それぞれが3年生から時間をかけて取り組んできた研究が、どんな論文に仕上がるのか。大学生活の集大成が完成する日も、もう間近です。