リベラルアーツ&サイエンス教育ブログ

2025.06.12

  • 総合科目

総合科目「基礎数学」—すべての学問に通じる数学—

ブログ投稿者:リベラルアーツ&サイエンス教育センター(LASEC) 専任講師  遠藤 瑞己

「基礎数学」は文系・社会科学系学部のデータサイエンス・量的研究に必要な数学の知識・技能を養うことを目的とした演習授業です。取り扱う内容は指数・対数、三角関数、微分積分、ベクトル・行列、確率・統計など多岐にわたっています。本授業ではこうした内容が実際にどのような場面で応用されている、あるいは関連しているのか、人文科学・社会科学・自然科学とのつながりを意識しながら基礎的な事項を習得することを目的としています。

 

実際の授業では、まずその回で扱う内容について計算規則や公式などを確認したのち、Kahoot!とよばれる教育用ゲームプラットフォームを用いて基礎的事項の確認クイズを行います。正しい選択肢を早く選択すると得点が高くなる仕組みで、上位入賞を目指して教室内で競いあっています。中には、「表彰台入りできるように反射神経を鍛えます」といったコメントをくれた学生もいました。
 
確認クイズ後は、指数であれば複利計算、ベクトルであれば商品推薦システムなど、他分野とのつながりを意識した文章題を解いてもらいます。ときには最先端の情報技術や研究での応用例などの発展的内容を紹介することもあります。
最後は小テストで問題演習を行います。いきなりスラスラと解くことは難しい場合も多いので、適宜ヒントを出しつつ、場合によっては一緒に解いてみることもあります。解答した問題用紙を提出後、解答例プリントを持ち帰っていただき、復習に役立ててもらっています。
 
皆さんに受講目的をお聞きしたところ、「データサイエンスに必要な数学を学びたい」「高校時代、数学を全然やらないカリキュラムだったので、経済学部として必要最低限の数学は学んでおきたい」「自営業を継ぐにあたって数学の知識は必須」「証券アナリストの勉強で使うから」などのお声をいただきました。
 
日々の授業でも「ひさびさに数学をやって楽しい」「FPの試験で提示されている数値の成り立ちを知れて嬉しかった」などのコメントをいただいています。これからもただ問題演習をするだけでなく、他分野とのつながりを意識しつつ楽しみながら積み重ねられればと思っています。