リベラルアーツ&サイエンス教育ブログ

2013.11.25
- 国東農業研修
2013年国東研修(3) 酪農研修

今年の研修テーマの一つは、TPPです。農業をめぐって世界各国との農産品をめぐる輸出入の激変がどうなるかは、日本の農業の行方を決定するに違いありません。その影響を最も受ける農業分野が酪農です。酪農は、牧場というぼんやりとしたイメージしかないので、牛乳生産の現場で実情を研修できる貴重な機会となりました。
豪雨のなか事務所でお話をうかがいました。冒頭「皆さん若い都会の人は、酪農にどんなイメージを持っていますか?」と問われて、戸惑ってしまいました。家畜としての牛が私たちの暮らしや食物にどんな貢献をしていくれているかを識ることができました。畜舎で沢山の牛を飼うスタイルの酪農では、世界から輸入される飼料が利用されます。今、円安が急速に進み、飼料代の値上がりが経営を圧迫しているそうです。TPPだけでなく、世界経済のなかの為替変動も大きな影響を与えているのです。
豪雨のなか事務所でお話をうかがいました。冒頭「皆さん若い都会の人は、酪農にどんなイメージを持っていますか?」と問われて、戸惑ってしまいました。家畜としての牛が私たちの暮らしや食物にどんな貢献をしていくれているかを識ることができました。畜舎で沢山の牛を飼うスタイルの酪農では、世界から輸入される飼料が利用されます。今、円安が急速に進み、飼料代の値上がりが経営を圧迫しているそうです。TPPだけでなく、世界経済のなかの為替変動も大きな影響を与えているのです。

今、日本では減反政策が進められ、農地の4割減反が求められています。最近、食用の米作りをしない田で転作作物として、飼料用のお米を生産し、畜産で利用しながら、水田を維持するという政策が推し進められています。稲フォールクロップサイレージというそうです。実った稲全体をサイレージ(発酵飼料)として家畜の餌とするもので、WCSというそうです。稲農家と酪農家との間での連携に、色々な課題があるとのことでした。
牛の健康維持と改善には最も気を使います。乳牛として毎日、たくさんの乳を出すように改良されてきた家畜の特性に合わせて、日々毎日の生活が規則正しく繰り返されます。酪農には、稲作のような農閑期と農繁期がありません。休みをとるために、酪農家を巡回するプロの集団が作られていて、毎月定期的にお任せする制度が運用されているとのことです。
-
製材所から出るおがくずは、畜舎の床にひいて蹄の保護と汚れ掃除、その他多様な用途に利用します。 -
牛たちの塩分補給のための塊。牛たちは首を伸ばしてこの茶色の塩をたべるのでこんな形になっています。皆でなめてみましたが、基本的には塩ですが、牛の健康のため多様な成分が入っています。

戦後の高度成長期の一時期、日本各地でみかん栽培が成長農業の柱と位置づけられ、西日本ではブームとなりました。ここ武蔵町でもオレンジライン、山間のみかん栽培に適した場所を貫くように作られた2車線道が作られました。1975年には、1960年当時に比べて、わずか15年間で生産高は、3.6倍にもなりました。稲よりも儲かったのです。植え付後、時期を経て、一挙に生産が始まったため、生産過剰となってしまった。その上、1972年にはグレープフルーツの自由化が始まり、豊作とあいまって価格は暴落「みかん危機」が叫ばれました。みかんに行き詰り、他の道として始めたのが酪農だったとのことでした。