リベラルアーツ&サイエンス教育ブログ

2013.06.25

  • 江古田ミツバチプロジェクト

安藤ゼミ出前授業

2013年6月25日には、社会学部の安藤先生のゼミにお邪魔して丸橋会員が「出前授業」を行いました。最初のイントロが肝心ということで、武蔵大産蜂蜜 を皆で味わいました。巣箱や巣板、防護用の網帽子、作業道具一式もゼミ室に持ち込んで、実際に触ってもらいながら、匂いをかいでもらいながらの5感で感じ る「出前授業」となりました。
 
先生からは、ジャンゴさんのアマンドが学生の皆さんに振舞われ、江古田の町おこしを実感してもらえたと思います。また、ゼミの冒頭には、学生会員の戸田君から、このプロジェクトに参加した動機や活動から学んだことなどの話をしてもらいました。
 
この活動の歴史、蜂の社会と生態、蜂と人間など多岐に渡る話題提供となりました。晴れていれば、現場を見てもらう予定でしたが、雷雨となり外での実地の見 学は叶いませんでした。8号館から3号館屋上の飼育施設は見えているのですが。しかし、江古田ミツバチプロジェクトの活動は知っているが、巣箱を8号館か らは見たことがないという学生がほとんどでした。これからは、もっと広報活動にも気を配る必要があります。可能なら、「ここから蜂が見えます」説明看板 を、8号館の廊下の窓に貼り付けることも考えてみます。
  • 安藤ゼミ出前授業 01
    武蔵大産蜂蜜をクラッカーに付けて食べながら、話を聴く(ゼミ履修生撮影)
  • 安藤ゼミ出前授業 02
    真ん中の学生がかぶっているのが、防護網付きの麦藁帽子。スライドは、巣の重量増加と分蜂のメカニズムの解説図(ゼミ履修生撮影)
以下は当日ゼミで出前授業を聞いた学生の感想レポート、長い短いはありましたが、各学生の分量は同じくらいに抜粋しました。
 
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東京という人口密集地でもミツバチを飼育し、はちみつを作ることを初めて知りました。工場などで作るよりもおいしく安全で、地域の方たちとコミュニケー ションをとれると言う意味でもいい活動だと思いました。また、パン屋などでつくったはちみつを使ってもらうごとにより地域活性化するという面でもいいと思 います。
 
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私か印象に残っている言葉は、「地面が上に上がった」です。近年、自然の破壊が進み私たち人間の勝手で森林なども伐採してきました。これにより絶滅して しまう動物も現れ、食物連鎖が上手くいかず食物、環境問題に直面しています。高いビルなどが次々と建てられている中、今まで地上にあったものを屋上に作る と言う考えはとても適していると考え、そしてこの言葉にとても納得しました。この活動が日本全国に広がれば食に対する意識や環境に対する意識も変わってく るのではないかと考えました。また、この活動が個々の家で行う事ができたならば、食を作るという楽しさや大変さも身を持って感じる事ができるだろうと考え ました。
 
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武蔵大学のミツバチプロジェクトのことは知っていながらも他人事のように思っていました。しかし今回この話を聞き、このプロジェクトは武蔵大学だけのも のではなく、地域に根差した伝統にしようとする熱意があるのだと知り、感動しました。さらにそれを単に売り物にするのではなく、地域のカフェやパン屋で商 品として地域を活性化させるといった、プロジェクトとしてのミツバチプロジェクトは大変素晴らしいものだと実感しました。数種類のハチミツを試食しました が、本当に武蔵産のハチミツ(今年産)が一番おいしかったです。今度提携しているカフェに行ってまた食べたいと思います。
 
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江古田ミツバチプロジェクトには、自分が想像していたよりも、多くの地域の人がかかわっていて、何よりも「つながり」がお金では買えない、とてもすばら しいことなんだと思いました。これまで安藤ゼミでは、大規模産業が大きな力を近年力を増してきて、小規模の産業や農家は価格競争に敗れ、衰退していくこと を学びました。そこにこのような講義を受けることができたというのは、人間の暖かさのようなものを再理解することができたいいことなのだと思いました。
 
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ミツバチプロジェクトは地域の活性化に貢献できていて、素晴らしさが分かりました。安藤先生が用意してくださったパンに、ミツバチプロジェクトのハチミツが使われていたということを初めて知って、地域の人々が協力し生産してと、私達の本来すべき地域性の大事さがとても印象に残りました。近代化が進ん で、危険が多く生産されている現代で、こう言ったことが大事だなと改めて感じました。
 
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私が今回感じたことはやはり「人とのつながり」です。現在の日本では社会の個人化により他人のことを深く考えず、「人とのつながり」が薄れていると思い ます。その中で「江古田」という地域においてハチミツを通して人がふれあえる環境を作っているのは素晴らしいことだと思いました。
 
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江古田のように、商店街があったり、多くの飲食店が古くからあったりするようなこの地で、はちみつという一つの地域をつなぐアイテムでもう一度地域を活 性化させるということは、今の日本の現状を回復するのにはもっとも良い考えだと思いました。今回のプロジェクトは成功なのではないでしょうか。これを他の 地域にも発信して、自分の地に合ったアイテムを見つけ出し、地域を再び結びつくことができたら理想であると思いました。
 
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私はこの江古田ミツバチ・プロジェクトで作られたはちみつを使っているパン屋がテレビに出ているのを見たことがありました。そのパン屋はジャンゴのアマ ンドでした。あの放送を見るまでは学校で作られたハチミツが地域のパン屋で利用されていることを知らなかったので、一度食べてみたいと思っていました。ゼ ミでも、生産者と消費者が近い関係にいる農業や、そのような関係について学んでいますが、ジャンゴのパンでそれを実感しました。自分が食べているものはど んな人が作って、どのように作られているのかを知ることで安心して食べることができるようになると思います。
 
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このみつばちプロジェクトには、はちみつを提供したり生物の多様性などの循環があると感じた。この循環は、生き物、植物や地域の人々や学生をつなぐ、良 い影響をもたらしていると感じた。大学内の屋上という狭い範囲で飼っている蜂が、大学の外にも結び付いていると感じた。「地域」とは、漠然としていて表せ ないものだと思っていたが、今回の授業を通じ、少しだけ今まで学習してきた「地域」というものが身近に感じ、理解に近づいたと感じた。
 
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正直に言ってしまうと私はどちらかと言えばミツバチの生態について興味を持って聞いてしまった節があります。巣の作り方やダンスをするといった基本的な 情報は知っていたのですが、女王蜂の育て方を始め体の大きさを一定にする方法やその理由など初めて聞くことばかりで驚きました。上手い言葉が見つかりませ んが「ハチってすごい」の一言に尽きます。ハチの社会では一匹一匹が自分にできることを精一杯やって、その結果社会全体が上手く動いている。人間社会にお いてはもちろん社会全体を把握して動かす存在も大切だとは思いますが、社会のためにどう動くかではなくそれぞれの動きが社会を作り出していくというこの考 え方は、私の今後の社会学において大きく影響を与えてくれるような気がします。