人文学部ゼミブログ

2008.01.10

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  • ヨーロッパ文化学科

西村ゼミ紹介(西村淳子)

西村ゼミ紹介(西村淳子)
写真はエッフェル塔
ヨーロッパ比較文化学科には、数段階の演習があります。

 

演習の種類
1年生を対象にした基礎演習
2年生以上語学の実習的性格ももつ中級演習
3年生以上専門研究を行う専門演習
3年生後半から卒論の準備をする準備ゼミ
4年生の卒論指導のための卒論演習
などです。

演習とは?

演習と講義の違いは、演習では、「自分でやってみる」ことを通して、探求の方法と実践を学ぶ点です。聞いているだけではなく、やってみることによって、得た知識を自分のものにしたり、自分独自の探求方法を模索したりするのです。

 

それでは、西村ゼミでどんな授業が行われているかを紹介しましょう。( )内は私の担当している、あるいは担当したことのある科目です。

 

基礎演習(ヨーロッパ比較文化入門演習)
各学生が自分のテーマをもち、本を読んだり、レポートを書いて、ヨーロッパに関する知識を広げつつ、探求とはなにか、どのようにするのかを考えます。

 

中級演習(中級フランス語講読演習)
フランス語の基礎的な文法を1年で学びますから、2年生からは色々な本を読んだり、映画を見たり、色々なフランス語に触れて上手に使えるように訓練します。
私の中級演習では絵本を読みます。図書館の洋書プラザには、軽読書コーナーがあって、そこへ行くと比較的読みやすく美しい絵の入った本がたくさんあります。その中から、学生が自分で一冊を選び、皆に紹介します。一つのテキストをみんなで長時間読むのではなく、1授業2,3冊読みます。部分的には精読もし ますが、多読による読解力を養います。なによりもフランス語の絵本が読みたくて仕方なくなるというのを目標にしています。実際、この演習の履修者は圧倒的に多くて、成果を上げています。前期には「すばらしいフランス絵本の世界」というフランス絵本の紹介冊子を作りました。

 

 

専門演習(フランス語学演習)
フランス語とはどんな言語かを考えます。今年は日本語にはあまりないけれどフランス語には豊富な「時制」がどんな役割を果たしているのかを、物語を読んだ り、翻訳論から理論的な問題を考え、後半は自分で選んだ本を分析します。水や空気のように見えにくい言葉というものがどれほど私達の思考や行動に深く関わっているか、外国語という鏡を利用して、自分と言葉の関係を考えることができます。フランス語も上手になります。今年は「ことばは生きている:フランス 語学研究論集」を纏める予定です。

 

 

卒論準備演習(卒業論文準備ゼミナール)
3年生向けの卒論準備演習です。卒論とはなにか、書くための手順は?
これまで学んできたことを通して、自分の興味を絞り、探求へと繋げる準備です。学生と教員が話し合しあいながら、無理のないテーマ設定をし、具体的な研究へと繋げます。

 

 

卒論演習(フランス文化特殊演習)
実際に卒論を書いていきます。そのための勉強を指導します。文献を探し、読んで、研究し、発表、そして、纏めます。すべてが興味ある世界の探求ですが、自分の探求でもあります。一生自分はなにをして生きていくのか、自分はどんなことに興味があるのか、また、なにを求めればいいのか、それを皆に分かってもらうにはどのように表現すればよいのか、卒論にはその人の生き方が詰まっています。これまで私の指導のもと卒論を書いた人は、その内容はもちろんのこと、書くまでにどのような道を辿ったか、すべて覚えています。学生さんにとっても、教員にとっても生き方の触れ合うかけがえのない体験です。