NEWS & EVENTS

2025.01.07
- その他
- 大学企画室
お知らせ
新年のご挨拶2025 —学長 高橋徳行—

2025年 本年もよろしくお願い申し上げます。
昨年は、元旦に能登半島地震が発生し、その翌日には、日本航空516便が着陸した直後に海上保安庁の航空機と衝突する事故が起きるなど、天災そして人災から始まった年でしたが、今年は国内に限ってのことですが大きな災害や事故もなく、比較的穏やかなお正月を迎えることができました。このことを当たり前のこととは思わず、感謝することから一年のスタート台に立ちたいと思います。
2023年のデータになりますが、合計特殊出生率が1.20と過去最低記録を更新するなど少子化傾向に歯止めがかからない中で、大学は、15年ほど前からの出生数減少の影響を2027年以降に本格的に受け始めます。18歳人口は2023年に初めて110万人を下回りましたが、2025年、26年には一時的に110万人台を回復します。しかし、2027年以降からは一気に減少が進み、2040年には74万人になると予想されています。
2040年以降は人口減少も少し落ち着くことが期待されていますので、この時までに、今まで以上に社会に必要とされる大学になっているかどうかが、武蔵大学としての100周年を良いかたちで迎えるための必要条件と言えます。
そのための第一歩として、昨年中に2027年度から始まる新しいカリキュラムの設計をほぼ完了しました。近年になく、大胆かつ大幅な見直しを行い、例えば社会学部と国際教養学部にそれぞれ情報社会デザイン専攻、ビジネス・データサイエンス専攻を新たに設置するとともに、全学的にデータサイエンスの学びを強化します。また、経済学部と人文学部においても現在のカリキュラムを見直し、外国語科目や総合科目も装いを新たにします。
18歳人口が本格的に減少する前に、2027カリキュラムの骨格を整えることができたことは大変喜ばしいことではありますが、これで完了ではありません。2025年と2026年は、新専攻を担う教員人事やカリキュラムを構成する授業計画など、新しいカリキュラムを実質化するための仕事が残っていますので気を緩めることなく目標に向かって進んでいきたいと思います。
ゼミの武蔵も進化を続けます。それはゼミナールという授業としての進化にとどまることなく、学生全員が1年生から個性溢れる、さまざまなゼミに所属していることから生まれる企業文化ならぬキャンパス文化も指しています。ゼミで異なった分野を学んだ学生同士が授業や課外活動で出会い、時には一緒に活動します。異なったもの同士が交流すると、そこに何かしらの化学反応が生まれますが、その化学反応の機会はゼミが数多く存在することでより多くなります。それがゼミの武蔵から生まれた、もう一つの財産であり、武蔵大学ならではのものと思います。
強い個性と他者を理解し、他者と協働する力・実践力という一見すると兼ね備えることが難しい力を身に付けたところに、武蔵大学の在校生や卒業生の特徴が発揮されます。
今年は、干支で言えば乙巳(きのと・み)です。発展途上の状態を表す「乙」と植物が最大限まで成長した状態を意味する「巳」が組み合わさった年にふさわしく、武蔵大学もこれまでの努力や準備が実を結び始める年になるように、常に初心に戻りながらも、何ごとにも前向きの姿勢を忘れることなく努力してまいりますので、皆様のこれまで以上の力強いご支援をお願い申し上げます。
最後になりましたが、今年が皆様にとって、稔り多き年となりますことを心から祈念して、新年のご挨拶と致します。
2025年 学長 高橋徳行