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2020.09.10

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お知らせ

後学期授業の開始に向けて(学長メッセージ)

学部学生・大学院生・保護者の皆様
 
武蔵大学では、9月11日(金)から後学期の授業が開始されます。
今年度は、新型コロナウィルスの感染拡大にともない、前期の授業はすべてオンラインで実施せざるを得ませんでした。学生の皆様にとっても教職員にとっても初めての試みで、試行錯誤の中で何とか授業を終えることができました。皆様にはさまざまなご負担をかけてしまったことに対してお詫びを申し上げるととともに、ご理解とご協力を賜りましたことに心より感謝申し上げます。
オンライン授業を実施したことによるメリットやデメリット、そして保護者の皆様や学生の皆様からのご意見や改善要求は、その都度、私の耳に届いておりますし、いくつかのアンケートも実施しました。
そこでわかったことは、当然のことですが、対面授業の方が良い、そして課外活動を含めてキャンパスで学生生活を送りたいという、学生の皆様の切実な声でした。
声の中には、授業内容や授業の進め方についての厳しいご意見に加えて、ずっと家にいることによるストレス、友人に会えないことによる孤独感、課外活動を実施できないことによる喪失感など、授業以外の意見も多数寄せられています。
 
そのような声を受けながら、現在の感染状況を鑑みると、後期も基本はオンライン授業で実施せざるを得ないという結論に至りました。私としても不本意ではありますが、学生の皆様の命と健康を最優先しての判断です。ご理解いただきますようにお願い申し上げます。
 
よく、テレビなどで高校中学小学校は対面授業をしているのに、なぜ大学だけできないのか、という声を聞きます。感染者の多い大都市圏にある大学では、本学に限らず、ほとんどの大学で原則オンライン授業という方針を打ち出しています。
 
その理由の第1は、大学の授業運営の複雑さにあります。武蔵大学は小規模大学の分類には入りますが、それでも、1300近い授業が毎週実施されています。このうち受講生が200名を超える講義が60近くあります。1日あたり250以上の授業を展開し、しかも、学生は一人ひとり授業スケジュールが違いますので、ピークでは90近い教室が90分ごとに総入れ替えを行っています。症状のない感染した学生が出席していた場合、感染源をたどることもできず、大きなクラスターが発生する可能性があり、その影響は非常に大きなものになることが懸念されます。
 
他にも、大学生は遠距離からの通学も多く通学時の感染が心配であるとか、アルバイトをはじめとする社会的活動をおこなっていることから小中学生や高校生と比べて活動範囲が広く感染リスクが高いとか、本学の場合、高層階にある大教室への移動手段としてのエレベーターでの3密をどう解消するかなど、多くの理由があります。
 
以上、現在の感染状況を考慮した上で、なぜ、武蔵大学が後期も原則、オンライン授業を継続するのかについて、部分的ではございますが、説明をさせていただきました。
 
しかし、後期は前期ではできなかったこともいくつか実施していく方針です。
 
第1には、当然ですが、授業の進め方などについての改善を図ります。教員とのコミュニケーションに関する不満や課題の提出方法や受領確認などに関するご意見については可能な限り改善していきます。
第2には、学内の施設の一部を、自習スペースとして開放します。感染拡大防止の観点から予約制となりますが、大学の中で学習したいという声に少しでも応えていくつもりです。
第3には、担当教員が希望すれば、対面授業ができるルールを作成しました。これも申請手続きが必要になりますが、キャンパスに来る機会を少しでも増やせると思います。具体的には、幾つかの実習系授業やスポーツの実践科目などで対面授業が計画されています。
 
現在の新型コロナウイルスの感染状況のなかで、教員や学生の意見も二つに大きく分かれているように思います。そうしたなかにあって、学生の生命を守ることを最優先しながら、対面授業や大学の中で学習したいという学生の希望に応えたいと考えた結果です。
先に触れたように、一部の授業は対面で行いますし、1年次生のオリエンテーションもぜひ実施したいと考えています。ただ、いずれも出席は必須でありません。入学後、オンライン授業となったことで実家にもどって授業を受けている学生さんや、遠隔地からの通学で、通学中の感染が不安だからオンラインのみで授業を受けたいという学生さんの意思も尊重します。
また、せっかく入学したのだから、大学図書館を使いたいとか、大学の通信環境を使いたい、あるいは大学の教室で自主的に勉強をしたいという学生たちのために、上述したように、それぞれの施設を予約制ではありますが開放しますので、十分な感染対策をしたうえでご利用頂ければと思います。
これからも、保護者や学生の皆様の声には常に耳を傾けていきたいと思います。現在、本学の教育支援システムである3S(スリーエス)というサイトには、オンライン授業「ご意見箱」を設けて、自由に投稿できる仕組みを用意しています。学内の各事務室でも、お問い合わせやご相談に応じていますので、何かありましたら是非ご利用下さい。
 
最後に、こうした過去に経験したことのない難局にあって、本学教職員と学生本人と保護者の皆様が一体となって、少しでも質の高い教育を実践していくことができるよう、学長としても努力を続けていくことをお約束します。
 
1年次生のご父母におかれましては、先日、ビデオ配信した内容と重複していますがご容赦下さい。
 
 
武蔵大学長  山㟢哲哉

ご参考