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2020.03.19

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お知らせ

金融学科 茶野努 教授 共編著『日本企業のコーポレート・ガバナンス−エージェンシー問題の克服と企業価値向上−』が刊行されます

本書の概要

日本企業のコーポレート・ガバナンス-エージェンシー問題の克服と企業価値向上-
本書は、近時の「コーポレート・ガバナンス改革」の概要とその成果に関して、標準的な経済学に基づく理論的・実証的な分析フレームワークを通じて統一的に分析している。投資家の意向を踏まえた監督を担う取締役会改革(1章)、業績報酬制度の在り方(2章)、ペイアウトと企業間競争(4章)やディスクロージャー(5章)がガバナンスに及ぼす影響、銀行に対する市場規律(10章)、生命保険会社の企業形態(12章)、さらには協同組織金融機関である信用金庫のリスクテイク行動(13章&14章)といった幅広いテーマを取り上げている。

著者より一言

2014年にスチュワードシップ・コードが公表され、株主の役割が重視され、経営者との対話を通じて企業価値を高める責任と努力が一層求められている。独立取締役の普及など、日本企業のコーポレート・ガバナンスは大きく変貌した。一方で、日本的経営の特徴とされた「終身雇用」、「年功序列」、「企業内組合」などは弱体化した。しかし、ティロールによるステークホールダー型のガバナンス(株主のみならず、経営者、債権者、顧客、一般社会といった全体の利益を視野にいれた行動をいかに経営者に動機づけるか)という観点からは、長期的・安定志向を特徴とした、株主利益の枠に留まらない日本的経営には意義がある。日本固有の特徴を重視し分析を行っている点は本書の一つの特長である。 (茶野 努)

ぜひ、ご一読ください。