「常に1歩先を考えて動く」
母の介護経験から見つけた将来の道

経済学部 経営学科
2023年4月入学

#経済学部 #進路・就職 #在学生
 大学生活中に経験した出来事をきっかけに、将来の進路を見つけた経済学部経済学科の学生。その経験から得た気づきや今後の目標について伺いました。

人生に大きな影響を与えた出来事についてお聞かせください。

大学2年生の時に、母が突然倒れたことです。
6時間を超える手術のあと、2週間以上も意識が戻らず、「このまま目を覚まさないかもしれない」と思うと、何も考えられませんでした。
意識を取り戻したあとも、話すことができず、右半身に麻痺が残る母の姿を見た時は、本当にショックが大きかったです。
しかし、「自分が下を向いていても意味がない。自分も前に進めないし、母も絶対に良くならない」と考えるようになりました。
それなら、自分もリハビリに関わり、少しでも母がよくなるためにできることをしようと思えたことが前を向くきっかけに、そしてこれからの自分のことや将来について真剣に考えるようになりました。

お母様の介護と大学生活、就職活動をどのように両立されたのでしょうか?

学業はオンライン授業を中心に進め、病院や施設へ毎日通っていました。医師や理学療法士の方にリハビリ方法を教わり、ノートにまとめて実践するなど「母が良くなるために今何をするべきか」を常に考えていました。
就職活動の時期は大変でしたが、母の介護を通じて自分の軸ややりたいことが明確になっていたので、焦らずに今できる準備を進めていました。
これらを両立する中で、父からサッカーを通して教えられてきた「常に一歩先を考えて動く」ことと「自分が前に進まなければ、母の状況もよくならない」という思いを大切にしていました。
この2つの考え方があったからこそ、どれも諦めずにやりきれたと思います。

大変な時期を支えてくれた人や、支えになったものはありますか?

大学や高校、地元の友人、それから家族など、本当にたくさんの人たちです。
当時は一人で抱え込んでしまっていたので、周りの存在には本当に助けられました。
大学で会う友人は変に気を遣わずいつも通り接してくれたので、余計なことを考えずに過ごせました。また、高校や地元の友人も何かと気遣ってくれたり、当時は地元でやっていたサッカーにも行けずにいた中で、気兼ねなく「息抜きに」と声をかけてくれたのは本当にありがたかったです。
あとは、家族の存在も大きかったです。特に父は、仕事で忙しい中でも、昔からあまり体が強くなかった母に無理をさせないよう、いつも一緒に家事を担い、大変な時でも常に明るく家族を支えてくれました。幼い頃からそんな父の背中を見て育ってきたので、ずっと尊敬しています。
母が倒れて介護が必要になった際も、そんな父を中心に、誰か一人に負担が集中しないよう、私や兄も一緒に家族みんなで協力しながらやっていました。そして何より、母自身も諦めずにリハビリを続けてきたことが大きいと思います。今では車椅子で散歩できる時間も増え、「自宅へ一時帰宅すること」を家族共通の目標にしています。少しずつ良くなっていく母の姿を見た看護師さんから「家族の力って本当にすごいですね」と言ってもらえた時は、本当に嬉しかったです。

医療・介護業界をめざそうと思ったきっかけを教えてください。

母が倒れてから介護に至る中で、医療・介護従事者をはじめとする多くの方々に助けていただいたことが一番のきっかけです。
また、医療・介護用機器などが、患者さんの回復や家族の負担軽減に大きな役割を果たしていることも実感しました。現場で働く方々はもちろん、介護を受ける方やその家族の負担を少しでも減らしたい。そう考え、医療福祉メーカーを目指すことにしました。
母が徐々に良くなっていく姿を見て、リハビリがどれほど大事なことなのかということも実感しました。だからこそ、少し大きな目標にはなりますが、将来はリハビリを必要とする人が当たり前に受けられる環境を、もっと社会に広げていきたいと思っています。

最後に、武蔵大生や高校生へのメッセージをお願いします。

日常の出来事もそうですし、勉強や部活でも、思いがけない辛いことや大変なことは突然起きるものだと思います。
その時はすごく不安になったり、落ち込んだりするかもしれませんが、そうした失敗や挫折などの経験がきっかけとなって良い方向へ変わっていくこともたくさんあると思っています。
だからこそ、皆さんも、大変な時こそ一人で抱え込まずに周りを頼りながら、自分なりに前を向いて一歩ずつ進んでいってほしいなと思います。