自然科学・身体運動科学分野活動ブログ

2022.11.09

  • 国東農業研修

研修後レポート 松熊つばさ (国東-2022-29)

ブログ投稿者:基礎教育センター 教授 丸橋珠樹(Professor Tamaki MARUHASHI)

 私がこの研修に参加したいと思ったきっかけは、地域内でのかかわりの少ない住宅街での生活しか知らない故の農村部での暮らし方への興味と高校生の時に特に積極的に取り組むことをしなかった後悔だった。また、自分の住んでいる地域に寄り添い、貢献できる地方公務員になりたいという夢があり、自分の中での普通の生活の概念が偏っているのではないかと考えていたからでもあった。

 結論から言うと、この研修に参加したことは私にとってとても良い経験になったと思う。農村での様々な暮らし方、いいこと、大変なこと、自分の今まで過ごしていたものとは全然違うものであった。市役所の職員さんがずっとついていてくれていたため職員としての仕事の一端を見ることもできた。また、学年も学部も違う8人が集まり新たな交友関係ができたことは交友関係を広げることが苦手な自分にとってはうれしかった。

 私が驚いたことは出会う人達がみな名前や顔を覚えていることである。確かに名前を覚えることは大切だと思うが、私はあまり覚えられていないし覚えていてもその人が何をやっている人かの詳細は覚えていない。しかし、仕事での関係もあるのだろうが行く先々で市役所の人が名前を言っていたり、他の農家さんの名前をだすと「あ~○○さんね」という言葉が出てきたりしていたので、これが地域同士のつながりが強いということなのだろうかと感じた。

 また、私にとって地域の人が協力し合って一つのものを発信していこうとする姿勢に感銘を受けた。特に大分味一ねぎである。私は今自分の住んでいる地域の有名なもの、特産品を全然知らないが、大分では味一ねぎは栽培者、そのねぎを使った料理を広める人、栽培者自身で料理を提供したり、調味料などとコラボしたりキャラクターを作る人、またその発信を支える市役所の方、みんなが一丸となって何かをする。その姿勢がとてもすてきだなと思った。

 大分独自の文化もまた面白いものだった。神仏習合は確かに歴史の授業でも習っていたがここまで根強くある地域があるなんて知らなかったし、土壌のおかげでもあるがここまで石像が多い地域はほかにないのではないだろうか。今回はあまり実物を目にすることは叶わなかったが今度是非もう一度足を運び、ゆっくりとめぐってみたいと思う。

 また、今回宇佐航空隊の跡地を訪れたのはとても嬉しかった。第二次世界大戦はもちろんいいものではないが、その中で人々がどのように生活したのかとか、どのような技術があったのかは後世に残していくべきものであると私は考えている。宇佐の航空隊から亡くなった方は石碑を見るとかなりの人数だった。私はそこで聞いた松木さんの話に衝撃を受けた。松木さんはその石碑に刻まれた名を見てどのような人物であったのかを何人も語ったのだ。何か資料を見ながらではない。それは背負う覚悟が必要なものである。その姿勢を見習いたいと思った。

 今回の研修を経て、私は生活の様々な形をしることができ、また、より一層地域に寄り添える公務員になりたいと思うことができた。今回お話を聞かせてくれた方々、様々なサポートをしてくださった方々本当にありがとうございました。
  • 研修も最終日、次の旅へ心の準備。撮影日時: 2022:09:05 09:19:23