自然科学・身体運動科学分野活動ブログ

2013.11.19

  • 武蔵One Point自然観察

サフランの花

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赤い雌しべを集めて陰干ししたのがサフランとなります。

サフランの学名はCrocus sativusで、属名が示すようにクロッカスに近縁で、薬用クロッカスと呼ばれたりもします。アヤメ科で、西南アジアの乾燥地が原産です。乾燥させためしべは、高価な香辛料です。園芸品種となっている、黄色のクロッカスや白や紫のクロッカスは、また別の原種から作り出されたとのことです。

サフランは、江戸時代に日本に伝わり、明治半ば過ぎには大分県竹田が名産地となりました。竹田は、今でも日本一の産地となっています。大分県には黄飯という臼杵の郷土料理がありますが、クチナシで黄色を付けているそうです。

サフランは独特の香りがあって、水に浸けると鮮やかな黄色となり、地中海料理の代表であるパエリアの風味と色合いには欠かせません。乾燥雌しべがほんの数本あれば一度の料理には十分です。一個の球根から幾つか花が開きますから、球根が数個あれば家庭で利用するくらいの量のサフランを得ることができます。来年は、皆さんも試して楽しんでください。

毎年、研究室でサフランの花と香辛料作りを楽しんでいます。今年は45球を育てていますといっても、水も土もないプラスチックの箱に並べているだけです。11月の始め白雉祭りの頃には随分と芽が伸びてきていたのですが、なかなか咲きませんでした。ところが突然、11月14日には57個が爆発といって良いくらいどっと咲きました。さらに、16日には9個、17日にはなんと76個が咲き誇っていました。その後19日には16個です。わずか6日間で、158個の花が集中して咲きました。
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    11月1日には、こんな具合に芽が伸びてきていました。
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    11月17日の13時13分に撮影したときには、まだ花びらは開いていませんでした。窓越しのケヤキが、色づいています。
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    ところが、同じ11月17日の40分ほど過ぎた13時58分には、満開となりました。
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    美しいケヤキの紅葉を背景にすると、花びらの紫色が映えます。